東京為替見通し=月末のため需給相場となるか、中国からのヘッドラインには引き続き要警戒

 海外市場でドル円は、欧州時間に一時137.87円まで売られたものの、米10年債利回りが3.76%台まで上昇したことがドル買いを促し、一時138.85円付近まで値を上げた。ユーロドルは1.0320ドルまで弱含んだ。

 本日の東京時間のドル円は、中国政府のコロナ政策のヘッドラインを警戒しながら、月末の実需の動きに左右される相場になるか。
 昨日は中国の厳しいコロナ規制が修正されるとの期待から、過度なリスク回避姿勢が後退した。中国政府が「個別の事情を踏まえない一律の対応に修正が必要」との見解を示したことも、支えとなっている。ただし、連日中国国内でのコロナ感染が拡大していることもあり、規制緩和が急速に始まることも考えにくいことで、為替市場も状況を確かめながら、過度にリスク選好にも動きにくそうだ。

 本日は月末ということで需給により動きが神経質になりそうだ。ここ最近は東京仲値に向けては、ドル買いが優勢となっている。邦銀を中心に仲値が市場の出合いよりも右に寄せる強引な値決めがみられる。しかし、その後は本邦勢の円買い意欲が強く、上値が限られている。137円半ばから139円半ばまではオーダー等も少なく、市場流動性が悪い中で通常のフローでも激しい動きを見せているが、本日も想定以上に動く可能性が高い。また、本日のロンドンフィキシングでは、本邦勢を含め大きなオーダーを置いてくる可能性が高く、アジア・欧州時間はファンダメンタルズにのっとった動きだけではなく、需給相場になる可能性がありそうだ。

 本日のアジア時間では複数の経済指標が発表されるが、中国の景気動向に市場の目が集まっていることもあり、中国の11月製造業購買担当者景気指数(PMI)に注目したい。市場では、前月同様に景気判断の分岐点とされる50を下回るとの予想が優勢となっている。

 なお、NY時間に入るとパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が講演を行うことや、ベージュブックの公表もあることで、アジアと欧州時間の流れが急転する可能性もあることには留意しておきたい。

(松井)
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