東京為替見通し=明日のイベント日控えドル円は小動きか、豪ドルの動きは要注目

 海外市場でドル円は、ブラード米セントルイス連銀総裁が「2023年はインフレを抑制できる見込みがある」との見解を示したことも相場の重しとなり、一時134.37円と日通し安値を更新した。ただ、FOMC議事要旨で「数人の当局者は0.50%の利上げを明確に支持、または支持してもよいと表明」との見解が示されると、米金利が低下幅を縮め、134.99円付近まで持ち直した。ユーロドルは1.0599ドルまで弱含んだ。

 本日のドル円は、東京市場が天皇誕生日で祝日休場ということもあり、小幅な値動きになると思われる。昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では50ベーシスポイント(bp)の利上げ幅の主張もあったことが分かり、米国で引き続き金融引き締め策の継続が予想されることによるドル買いの流れは変わっていない。しかしながら、本日が東京の祝日休場ということだけでなく、明日は日米で重要イベントが相次いで行われることで、動きづらい展開になるだろう。

 明日は、日本時間8時半に1月の本邦消費者物価指数(CPI)が発表され、市場では前年比で4.3%程度の上昇予想となっている。この何年かは大きな動きを見せない本邦の経済指標だが、インフレ高進が確認された場合には市場も反応を見せそうだ。また、CPI発表後の午前には植田次期日銀総裁候補の衆議院での所信聴取と質疑応答が予定されている。同日午後には前金融庁長官の氷見野良三氏と日銀理事の内田眞一氏から所信を聴取したうえで、質疑を行う予定。所信聴取に関しては安全運転になるのではとの声があるものの、質疑応答次第では市場を動意づけることになるだろう。
 また、米国からも米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している1月の個人消費支出(PCE)価格指数が発表される予定で、明日のイベントを控え大きなリスクを取る地合いにはなりにくい。

 ドル円は大きな動きを期待するのは難しそうだが、オセアニア通貨の動きには引き続き注目したい。本日は豪州から、来週1日に発表される10-12月期の国内総生産(GDP)を形成する一つである同期の民間設備投資が発表される。特に指標結果のネガティブサプライズには要注意となる。
 昨日は豪州の同期・賃金指数が市場予想を下回った反面、NZ準備銀行(RBNZ)の金融政策委員会(MPC)では、25bpはほぼ議題にはならず50bpの大幅利上げを実施するなど、オセアニア両国は明暗を分けた。この結果を受けて、今週20日に昨年10月以来の高値を更新した豪ドル/NZドルも急落した。本日も豪州の経済指標が、市場予想よりも弱い結果となった場合は、豪ドルは対NZドルを中心に弱含む可能性が高い。

(松井)
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