NY為替見通し=ドル円、来週FOMCを見据えた動き 指標は小売売上高など

 本日のNY為替市場のドル円は来週FOMCを見据えた動きか。米国2月の小売売上高のネガティブサプライズやニック・ティミラオス記者のツイートに警戒する展開となりそうだ。

 本日発表される米国2月の小売売上高は、前月比-0.3%と予想されており、1月のポジティブサプライズ(前月比+3.0%)からの反動減が見込まれている。1月の結果は季節要因の可能性が指摘されており、今回は予想を大幅に下回るネガティブサプライズや1月分の下方修正などに警戒しておきたい。

 また小売売上高と同時刻には、2月卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比5.4%)、3月ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲8.0)も発表予定。

 足もとのCMEフェド・ウォッチでは、来週21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利上げ確率が80%超え、据え置きが20%弱だ。ただし先週末からの出来事を見る限り、FRBは「金融安定を重視した据え置き」と「物価安定を重視した利上げ」の狭間に立たされていると言えるかもしれない。

 なお現状、金利先物市場は5月FOMCで追加の0.25%利上げを見込み、夏ごろの利下げ転換、以降はゆるやかな金融緩和の継続、いわゆるFEDピボットが予想されている。

 FRBが昨年3月の利上げ開始前に示した「インフレ高進は一時的」という物価見通しは誤りだった。もし金融安定を重視して据え置きを決定した場合、1年後には金融システム不安定化を見通せなかったことになる。そうなると、FRBへの信頼感が失墜することになるかもしれない。

 一方、0.25%の利上げを断行した場合、金融安定化措置「バンク・ターム・ファンディング・プログラム」との整合性がなくなることになりかねない、という見方もできる。

 現在はブラックアウト期間中なので、米連邦準備理事会(FRB)高官は金融政策への言及が禁じられている。そのため、FRBの代弁者とされるWSJ紙「FEDウォッチャー」ニック・ティミラオス記者のツイートには引き続き警戒しておきたい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は3月10日の高値136.99円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は3月14日の安値133.03円。


(山下)
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