東京為替見通し=ドル円、米金利上昇と介入警戒感に挟まれるか 東京都区部CPIの発表も

 1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、NY勢本格参入後に円買い・ドル売りのフローが観測されると157.24円まで下落するも一時的。その後は一部報道により中東情勢に対する不透明感の高まりからWTI原油先物価格が93ドル台後半まで上伸し、NY序盤に5.34%台まで上昇した米10年債利回りが一時5.20%台に低下した後に5.24%台まで低下幅を縮小すると、158.26円付近まで持ち直した。ユーロドルは米長期金利の上昇に伴うドル買いが入ったほか、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が今週、一部の積極的な利上げ観測をけん制する姿勢を示したことが引き続きユーロの重しとなり、1.1215ドルまで下落して昨年5月29日以来1年4カ月ぶりの安値を更新した。

 本日の東京外国為替市場でドル円は、全国消費者物価指数(CPI)の前哨戦とされる9月東京都区部CPIを確認した後は、米長期金利の上昇を支えに底堅い動きを維持しつつも、本邦通貨当局による介入警戒感が上値を抑える神経質な展開が予想される。

 本日発表される9月東京都区部CPI(生鮮食料品除く)について、市場予想は前年比+2.3%と前回+1.8%を大きく上回ると見られている。数値だけ比較すれば大幅上昇の予想であるが、それには理由がある。昨年9月の物価を押し下げていた東京都の保育料無償化と水道基本料金の無償化の影響が、前年比の計算から外れるという特殊要因があるためである。したがって、予想を下回る伸びにとどまる場合、日銀の早期利上げ観測が一段と後退して円売りを誘う可能性がある。

 前日の海外市場でドル円は一時急落するも158円台に持ち直して引けており、日米の金融政策スタンスの温度差に着目したドル買い・円売り意欲は根強い。ただし、昨日NY時間の急落が示すように、依然として円買い介入への警戒感が根強いことがうかがえる。円売りが優勢となる局面では不意の急落に備えると共に関係者の発言に注意したい。

 また、米長期金利の上昇によるドル買い圧力もまた、足もとでの相場を下支えしている。下期や第4四半期入りに伴う実需筋のフローが交錯するなか、米金融政策を巡る観測から米長期金利が堅調に推移し、円売り・ドル買いが入りやすい地合いが維持されている。

 金利上昇を支えている理由の一つとして、中東情勢を受けた原油相場の動向が挙げられる。昨日は「トランプ米大統領はイランへの爆撃再開の考えを側近に語った」と報じられると、WTI原油先物価格は91ドル台後半から93ドル台後半まで急伸する場面が見られた。米・イランの軍事衝突の恐れが一段と高まる場面では原油価格に上昇圧力が掛かることが予想され、それによりインフレが懸念されて米長期金利に上昇圧力が掛かる公算が高い。本日も引き続き、関連報道に注意したい。

 ただ、昨日は米10年債利回りが約24年ぶり高値を付けるも、ジェファーソン米連邦準備理事会(FRB)副議長が「FRBは次の行動決定までにさらなるデータが必要」と発言したことなどから、米追加利上げ観測が後退し金利は低下した。CMEのFedWatchツールによると、次回10月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率は25%前後と昨日の37%台から低下しており、10・12月の連続利上げ観測が後退している様子がうかがえる。昨日のドル円はFRB副議長発言に対する反応は限定的であったが、今後も早期利上げ期待を後退させる発言が相次ぐ場合はドル売り材料視されることも考えられる。関係者の発言にも気を配りたい。

 一方で、ドル円が上昇する局面では特に、本邦通貨当局による円買い介入への警戒感が急速に高まっている。日米の財務相や金融当局者による口頭介入のトーンなどを踏まえ、市場では実務的な介入実施のラインを意識する声が増えつつある。160円台への接近スピードが速まるほど、単なる口頭けん制にとどまらない警戒感がドル円の上値を抑える強力な心理的壁として機能しやすい。

 また、本日の海外市場では9月米雇用統計の発表を控えており、東京時間ではその内容を見極めたいとの思惑から積極的な売買が控えられ、様子見ムードが漂う展開も想定される。


(川畑)
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