東京為替見通し=ドル円、米長期金利上昇で続伸見通し 円買い介入には要警戒か

 24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、複数の米連邦準備理事会(FRB)高官からタカ派的な発言が相次ぎ、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが優勢となり159.04円まで上昇した。ユーロドルは米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いで1.1359ドルまで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期金利の上昇や10月米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ観測などから続伸の可能性が高い。ただし、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には引き続き警戒していく展開が予想される。

 ドル円は先週末に158.05円まで上昇した局面で、「レートチェック」が実施されたものの、昨日は159.04円まで上昇しており、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性が高まりつつある。

 7月末の日米協調による円買い介入では、三村財務官が「日米通貨同盟」と宣言し、ベッセント米財務長官は「胴元」として「私には、市場にはない非対称な情報がある」と表明していた。しかしながら、未知の情報と推測されていた、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の第126回経営委員会(2026年8月21日)の議事録が公開されているが、国内への資金回帰を示唆する基本資産構成割合(基本ポートフォリオ)の変更は確認されなかった。

 また、ベッセント財務長官は2025年の就任当時、米10年債利回りは4.0%未満が望ましく、財政赤字を国内総生産(GDP)比3%に削減すると述べていた。おそらく米国の財政赤字の削減は、米政府効率化省による歳出削減とトランプ関税による歳入増加で可能だと期待していたと思われるが、米政府効率化省は解体され、トランプ関税も違憲判断を受けている。2026年度の財政赤字は8月までで1兆9656億1200万ドルまで増大し、GDP比で6%を超えつつある。米10年債利回りは、「米財務省版ツイスト」としての国債買い入れ消却(バイバック)にも関わらず、5.2%台まで上昇している。

 ベッセント財務長官は、米国債売り圧力の抑制に失敗して米国債管理者としての面目は丸つぶれとなっており、為替市場でも、「胴元」として、市場のドル買い圧力との対決を迫られつつある。

 昨日は、ハマック米クリーブランド連銀総裁やポールソン米フィラデルフィア連銀総裁のタカ派発言を受けて、米10年債利回りは2007年6月以来の5.22%台まで上昇した。また、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、10月FOMCでの追加利上げ確率は70%程度まで上昇しており、ドル買い要因となっている。

 通常、11月の米中間選挙の直前の10月FOMCでは、選挙への影響を考慮して、政策金利は据え置かれることになっているが、今年は、異例ともいえる追加利上げの可能性が高まりつつある。

 ちなみに、戦後20回の中間選挙の内、18回は政権与党が下院で議席を減らしている。現在の下院(435議席)は共和党が218議席、民主党が214議席、上院(100議席)は共和党が53議席、民主党が47議席となっており、どちらもあと数議席で多数派が入れ替わることになる。もし、共和党が少数派に転落した場合、トランプ米大統領は残り2年間の任期が「レームダック」となり、最悪の場合は、弾劾裁判の可能性が高まることになる。

(山下)
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