NYマーケットダイジェスト・26日 金利上昇・ドル高・NYダウ年初来安値

(26日終値)
ドル・円相場:1ドル=144.75円(前営業日比△1.44円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=139.09円(△0.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9609ドル(▲0.0078ドル)
ダウ工業株30種平均:29260.81ドル(▲329.60ドル)
ナスダック総合株価指数:10802.92(▲65.01)
10年物米国債利回り:3.92%(△0.24%)
WTI原油先物11月限:1バレル=76.71ドル(▲2.07ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1633.4ドル(▲22.2ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。政府・日銀による円買い介入への警戒感が根強いうえ、ポンドやユーロに対してドル売りが先行すると143.80円付近まで下押しした。
 ただ、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの見方が強まる一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持しており、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いが出ると底堅く推移した。3時30分過ぎには一時144.79円と日通し高値を更新した。低調な米2年債入札の結果を受けて、米10年債利回りが2010年4月以来の高水準となる3.92%台まで上昇したこともドル買いを促した。

・ポンドドルは戻りが鈍かった。東京市場で一時1.0350ドルと史上最安値を付けた反動でショートカバーが先行したほか、「イングランド銀行(BOE、英中央銀行)は市場環境について声明を発表する」との報道を受けて買い戻しが強まった。22時前には1.0931ドルと日通し高値を付けた。市場では「BOEが緊急利上げに踏み切る」との思惑も台頭していた。
 ただ、ベイリーBOE総裁が「金融市場の動向を非常に注意深く監視している」「新たな経済対策がインフレ動向に与える影響やポンド相場の下落について、次回MPC(11月3日)で検証する」「中期的にインフレ率を2%の目標に戻すために、必要に応じて金利を変更することを躊躇しない」との臨時の声明を発表すると、1.0632ドル付近まで失速した。市場が期待していた緊急利上げなどがなかったため失望売りが出た。

・ユーロドルは続落。高インフレと主要中銀の大幅利上げ長期化が、ユーロ圏景気の後退懸念を強めており、ユーロ売り・ドル買いが出やすい地合いだった。米金利の上昇に伴うドル買いも入り、3時過ぎには0.9600ドル付近まで下押しした。
 25日投開票のイタリア総選挙では、右派政党を中心とする勢力が上下両院で過半数の議席を獲得する見通しとなり、欧州連動(EU)に批判的な政権が発足する可能性が高まった。EUの結束に影響を与えかねないとの懸念も出ており、ユーロの重しとなった面がある。

・ユーロ円は6日ぶりに小反発。20時30分前に一時138.80円付近まで売られたものの、23時30分前には139.52円と日通し高値を付けた。そのあとは139.00円を挟んだもみ合いに終始した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落し、20年11月以来の安値となった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も年初来安値を更新した。FRBの大幅利上げが続くとの見方から、米景気後退への懸念が強まると売りが優勢となった。ただ、足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入ると、ダウは上げに転じる場面もあった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5日続落し、6月17日以来の安値で取引を終えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは大幅に反落。FRBの大幅利上げが続くとの観測を背景に売りが先行。英国債相場が急落したことも相場の重し。米2年債入札が低調だったことが分かると売りが加速し、利回りは一時3.9285%前後と2010年4月以来の高水準を付けた。

・原油先物相場は続落。世界的な景気減速懸念の高まりで、原油先物価格は1月3日以来の水準まで下がり続落して引けた。ドルがほぼ全通貨で買われたこともあり、ドルで取引される原油価格には割高感が出たことも相場の重しになった。

・金先物相場は続落。前営業日比ほぼ横ばいまで戻す場面もあったが、米10年債利回りが3.90%台まで上昇するなど米金利高が重しになり、引けにかけては下げ幅を拡大し続落した。

(中村)
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