ニューヨーク外国為替市場概況・24日 ドル円、小幅続落

 24日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら3日続落。終値は130.73円と前営業日NY終値(130.85円)と比べて12銭程度のドル安水準だった。欧州市場ではドイツ銀行の株価急落などで金融不安が再び高まり、リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となった。19時過ぎには一時129.64円と2月3日以来の安値を付けた。
 ただ、NY市場に入ると買い戻しが優勢となった。一時3.2799%前後と昨年9月13日以来約半年ぶりの低水準を記録した米10年債利回りが3.39%台まで戻したことが買い戻しを誘ったほか、3月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を上回ったことが相場の支援材料となった。2時前には130.90円付近まで買われ、アジア時間に付けた日通し高値130.94円に迫った。下落して始まった米国株が持ち直したことで、投資家のリスク回避姿勢が和らいだことも円売り・ドル買いを促した。
 なお、ブラード米セントルイス連銀総裁はこの日、「経済が好調を維持し、金融セクターのストレスは緩和される見通しであることから、インフレ抑制に向けて予想以上の高金利が必要になる可能性が高い」「年末の政策金利の見通しを5.50-5.75%にした」などと発言。今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)では投票権がないものの、21-22日のFOMC後にFRB高官が公の場で話したのは初めてとあって、ドル買いを誘った面もあった。
 また、イエレン米財務長官は金融安定監視評議会(FSOC)の緊急会合を開催するため米金融監督当局の責任者らを招集。市場では「この会合は非公開だったが、株の買い戻しにつながったようだ」との声が聞かれた。

 ユーロドルは続落。終値は1.0760ドルと前営業日NY終値(1.0831ドル)と比べて0.0071ドル程度のユーロ安水準だった。クレディ・スイスの救済買収後も世界的な金融システムへの不安が拭えず、銀行株中心に欧州株が下落すると、投資家のリスク回避姿勢が強まり、ユーロ売り・ドル買いが進んだ。20時過ぎには一時1.0713ドルと日通し安値を更新した。ただ、NY市場に限れば1.07ドル台半ばでのもみ合いに終始した。

 ユーロ円は3日続落。終値は140.66円と前営業日NY終値(141.73円)と比べて1円07銭程度のユーロ安水準。欧州銀行の経営不安で欧州株が下落するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となり、19時過ぎに一時139.07円と日通し安値を更新したものの、NY市場では140.85円付近まで買い戻された。ドル円につれた動きとなった。

本日の参考レンジ
ドル円:129.64円 - 130.94円
ユーロドル:1.0713ドル - 1.0839ドル
ユーロ円:139.07円 - 141.85円

(中村)
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