欧州マーケットダイジェスト・12日 株高・金利上昇・ドル高

(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.49円(12日15時時点比△2.48円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.52円(△0.66円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1079ドル(▲0.0143ドル)
FTSE100種総合株価指数:8604.98(前営業日比△50.18)
ドイツ株式指数(DAX):23566.54(前営業日比△67.22)
10年物英国債利回り:4.643%(△0.076%)
10年物独国債利回り:2.648%(△0.086%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は急伸。米中両国が関税の大幅な引き下げで合意したことを受けて、貿易摩擦が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が後退すると、時間外のダウ先物や日経平均先物が急伸。投資家のリスク志向が改善し、円売り・ドル買いが優勢となった。米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いも出て、2時30分過ぎに一時148.63円と4月3日以来の高値を更新した。市場では「今回の米中協議で決まった関税率の引き下げ幅は予想よりも大きかった」との声が聞かれた。
 なお、米株式市場でダウ平均は一時1100ドル超上昇したほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比1090円高の3万8790円まで上げた。

・ユーロドルは軟調。米中両政府はこの日、互いに課した高関税を90日間大幅に引き下げることで合意したと発表。市場の期待を上回る内容との見方が広がり、幅広い通貨に対してドル高が進んだ。20時前には一時1.1072ドルまで値を下げた。
 急ピッチで下落した反動で22時30分過ぎには1.1135ドル付近まで下げ渋る場面もあったが戻りは鈍く、買い戻しが一巡すると再び弱含む展開に。3時過ぎには一時1.1070ドルと4月10日以来の安値を更新した。
 なお、トランプ米大統領は「中国は非金融障壁の全面撤廃に同意した」「対中関税を145%に戻すことはない」などと述べた。

・ユーロ円はしっかり。米中貿易戦争激化に対する懸念が緩和すると、欧米株相場や日経平均先物が大幅に上昇。リスク・オンの円売り・ユーロ買いが優勢となり、23時過ぎに一時164.92円と昨年11月15日以来約半年ぶりの高値を付けた。

・ロンドン株式相場は続伸。米中両国が関税の大幅な引き下げで合意したことを受けて、貿易摩擦が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念が後退。米国株相場が急伸すると英株にも買いが波及した。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は3日続伸。貿易を巡る米中対立が緩和に向かうとの期待や米株価指数先物の上昇を背景に、独株にも買いが広がった。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(8.19%高)やダイムラー・トラック・ホールディング(5.17%高)、DHLグループ(4.75%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。米中の貿易摩擦を巡る懸念が後退すると、株式などリスク資産に買いが入る一方、相対的に安全資産とされる国債に売りが出た。

(中村)
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