ニューヨーク外国為替市場概況・23日 ユーロドル、反発

 23日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは反発。終値は1.1362ドルと前営業日NY終値(1.1281ドル)と比べて0.0081ドル程度のユーロ高水準となった。20時30分過ぎに一時1.1375ドルと7日以来の高値を付けたものの、その後失速した。トランプ米大統領が自身のSNSに「6月1日から欧州連合(EU)に50%の関税を課すことを提案する」と投稿すると、欧米株相場が急落。欧州債利回りも低下しユーロ売りが広がった。21時過ぎに一時1.1298ドル付近まで下押しした。
 ただ、アジア時間に付けた日通し安値1.1279ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。欧米株相場の下げ渋りとともにユーロ買い戻しが進むと1.1369ドル付近まで持ち直した。なお、市場では「貿易摩擦の激化は米欧双方の経済に悪影響をもたらす。最終的には合意に至るだろう」との予想が聞かれ、比較的落ち着いた値動きとなった。英国や米国の3連休を前に大きな方向感が出にくい面もあったようだ。

 ドル円は反落。終値は142.56円と前営業日NY終値(144.01円)と比べて1円45銭程度のドル安水準だった。トランプ米大統領が来月からEUに関税50%の方針を示したほか、「米アップルがiPhoneを米国内で生産しなければ、少なくとも25%の関税を払うことになる」と表明すると、米国株相場が下落。リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となった。
 ベッセント米財務長官が「トランプ米大統領の50%関税示唆はEUのペースに対する反応」との見解を示すと、いったんは下げ渋ったものの戻りは鈍かった。NY午後に入り、対欧州・オセアニア通貨中心にドル売りが強まると、円に対してもドル売りが出て一時142.42円と7日の安値に面合わせした。
 なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.05まで低下した。

 ユーロ円は3日続落。終値は161.91円と前営業日NY終値(162.45円)と比べて54銭程度のユーロ安水準。トランプ米大統領のSNS投稿をきっかけに株価が急落するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行。21時過ぎに一時161.09円と日通し安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。ベッセント米財務長官が貿易交渉を巡り、「今後数週間で複数の大型合意が発表される」との見通しを示したほか、中国と対面での交渉再開に言及。貿易摩擦激化への警戒が和らぐと株価の下げ渋りとともにユーロ円にも買い戻しが入った。2時前には162.06円付近まで下げ幅を縮めた。

本日の参考レンジ
ドル円:142.42円 - 144.14円
ユーロドル:1.1279ドル - 1.1375ドル
ユーロ円:161.09円 - 162.75円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。