ロンドン為替見通し=LDNで閣僚級の米中貿易協議、リスクセンチメントに影響

 本日のロンドン為替市場では、重要指標の発表予定はなく、金融当局者の講演もエルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事のみというなか、注目はロンドンで開かれる閣僚級の米中貿易協議となる。

 トランプ米大統領のSNS投稿によると、貿易交渉に米国サイドからは「ベッセント財務長官やラトニック商務長官、グリア通商代表部(USTR)代表」が参加予定。中国からは、何・副首相(経済政策担当)を始めとした5月のジュネーブ会談に出席した閣僚が交渉の場に臨む。中国側によれば会談は最長で13日まで行われ、関税やレアアースだけでなく、留学生のビザや台湾問題まで話し合われるとされている。

 米中協議の焦点は、中国がレアアースの輸出規制をどの程度まで緩めるか、また対米貿易黒字をどこまで減らす気があるのかだろう。世界経済の二大国が歩み寄る姿勢を見せれば、先週末に進んだリスクオンの流れが素直に継続されるだろう。もちろん二転三転しやすい米中関係なだけに、会談の合間にもれ伝わる内容が悪いとなれば、思惑先行からあっさりとリスクオフということもあり得る。

 なお一部メディアが英政府筋の話として報じたところによると、リーブス英財務相も中国で経済政策を担当する何・副首相と会談するもよう。両者が会談するのは、1月にリーブス氏が訪中した時以来となる。もし英中関係が悪化となれば、市場は神経質に反応するだろうが、基本はサプライズなしの話し合いに終わりそうだ。

 講演予定のエルダーソンECB専務理事の金融政策スタンスは、ラガルドECB総裁と変わらないと見られている。本日は、ローマのイタリア憲法裁判所にて「法の支配」に関する基調講演であり、金融市場へのインパクトは小さいだろう。

想定レンジ上限
・ユーロドル、5日高値1.1495ドル
・ポンドドル、5日高値1.3616ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、2日安値1.1341ドル
・ポンドドル、3日安値1.3492ドル

(小針)
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