株式明日の戦略-週間ではプラスも週足は陰線、来週は米雇用統計を前に方向感が出づらいか
29日の日経平均は3日ぶり反落。終値は110円安の42718円。米国株の上昇を好感できず小幅に下げて始まると、すぐに下げ幅を3桁に拡大。半導体株の一角や小売株が弱く、前場は下げ幅を広げてはやや戻すといった動きを繰り返した。200円超下げたところでは売り圧力が和らいでおり、後場に入ると戻りを試しにいった。14時台半ば辺りからは急速に下げ幅を縮め、前日終値近辺でクロージングオークションに突入。ただ、引けにかけはまとまった売りに押されており、3桁の下落で取引を終えた。
東証プライムの売買代金は概算で4兆4000億円。業種別では非鉄金属、パルプ・紙、卸売などが上昇した一方、不動産、保険、輸送用機器などが下落した。ソフトバンクグループ<9984.T>が米国株高に好反応を示して大幅上昇。強い動きとなる中で、売買代金は全市場でトップとなった。反面、潜水艦の検査データ改ざん観測が報じられ、会社からも調査を進めている旨のリリースがあった川崎重工業<7012.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり632/値下がり929。古河電工やフジクラなど電線株が大幅上昇。大阪チタニウム、東邦チタニウムのチタン2社が連日で強い動きとなった。海外事業の売却検討観測が報じられた電通Gが急伸し、傘下の電通総研もつれ高。開業100周年の記念品贈呈や優待の対象者拡大を発表したTONEがストップ高比例配分となった。
一方、傘下「すき家」の牛丼値下げを発表したゼンショーHDが大幅安。同じく牛丼チェーンを展開する吉野家HDや松屋フーズのほか、ハイデイ日高、ワタミ、クリレスHDなど外食株の弱さが目立った。コシダカ、ラウンドワン、イオンファンタジーなどレジャー関連も多くが大幅安。日証金が増し担保金徴収措置を実施すると発表したアステリアが急落した。
日経平均は3日ぶり反落。引けにかけての値動きが荒くなっており、月末を意識した売買の影響を大きく受けたようにも見える。終値(42718円)で5日線(42653円、29時点)を上回ったことは、来週に向けて期待の持てる動きであった。
週間では日経平均は上昇した一方で、TOPIXは下落している。日経平均は8月19日に43876円まで上昇した後、軽めの調整に一巡感が出てきている。TOPIXは3100pより上をキープできずに緩やかに値を消している。どちらも高値圏のもみ合いの範ちゅうではあるが、相場の転換点を示唆している可能性はある。両指数が足並みをそろえてくるか、パフォーマンスに差が出てくるかといった点には注意を払っておきたい。
【来週の見通し】
一進一退か。9月相場に入り、金曜5日には米8月雇用統計が発表される。注目指標の発表を前に、日米株ともに方向感が定まらないと予想する。月曜1日の米国はレーバーデーで休場となるだけに、早いうちから様子見姿勢が強まる可能性もある。米国では雇用統計を前に指標の発表が多くあり、日々の指数は結果に一喜一憂となりやすい。ただ、現状では米国の9月利下げに対する期待が強いだけに、指標を受けて売られたとしても、下では買いが入るだろう。一方、雇用統計を前に楽観に傾いた場合には、高くなったところでリスク回避や利益確定の売りが出てくると思われる。どちらに振れてもそれを修正する動きが出てきて、週間では水準が大きく変化しないと予想する。
(山下)
東証プライムの売買代金は概算で4兆4000億円。業種別では非鉄金属、パルプ・紙、卸売などが上昇した一方、不動産、保険、輸送用機器などが下落した。ソフトバンクグループ<9984.T>が米国株高に好反応を示して大幅上昇。強い動きとなる中で、売買代金は全市場でトップとなった。反面、潜水艦の検査データ改ざん観測が報じられ、会社からも調査を進めている旨のリリースがあった川崎重工業<7012.T>が大幅に下落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり632/値下がり929。古河電工やフジクラなど電線株が大幅上昇。大阪チタニウム、東邦チタニウムのチタン2社が連日で強い動きとなった。海外事業の売却検討観測が報じられた電通Gが急伸し、傘下の電通総研もつれ高。開業100周年の記念品贈呈や優待の対象者拡大を発表したTONEがストップ高比例配分となった。
一方、傘下「すき家」の牛丼値下げを発表したゼンショーHDが大幅安。同じく牛丼チェーンを展開する吉野家HDや松屋フーズのほか、ハイデイ日高、ワタミ、クリレスHDなど外食株の弱さが目立った。コシダカ、ラウンドワン、イオンファンタジーなどレジャー関連も多くが大幅安。日証金が増し担保金徴収措置を実施すると発表したアステリアが急落した。
日経平均は3日ぶり反落。引けにかけての値動きが荒くなっており、月末を意識した売買の影響を大きく受けたようにも見える。終値(42718円)で5日線(42653円、29時点)を上回ったことは、来週に向けて期待の持てる動きであった。
週間では日経平均は上昇した一方で、TOPIXは下落している。日経平均は8月19日に43876円まで上昇した後、軽めの調整に一巡感が出てきている。TOPIXは3100pより上をキープできずに緩やかに値を消している。どちらも高値圏のもみ合いの範ちゅうではあるが、相場の転換点を示唆している可能性はある。両指数が足並みをそろえてくるか、パフォーマンスに差が出てくるかといった点には注意を払っておきたい。
【来週の見通し】
一進一退か。9月相場に入り、金曜5日には米8月雇用統計が発表される。注目指標の発表を前に、日米株ともに方向感が定まらないと予想する。月曜1日の米国はレーバーデーで休場となるだけに、早いうちから様子見姿勢が強まる可能性もある。米国では雇用統計を前に指標の発表が多くあり、日々の指数は結果に一喜一憂となりやすい。ただ、現状では米国の9月利下げに対する期待が強いだけに、指標を受けて売られたとしても、下では買いが入るだろう。一方、雇用統計を前に楽観に傾いた場合には、高くなったところでリスク回避や利益確定の売りが出てくると思われる。どちらに振れてもそれを修正する動きが出てきて、週間では水準が大きく変化しないと予想する。
(山下)