ロンドン為替見通し=ユーロ、対ドルやスイスフランの動向に注視 中東情勢の悪化が重しに

 本日のロンドン為替市場でも、イランを巡る中東地域の混乱度合いを見極めながらの取引となるだろう。イランメディアは9日、新たな最高指導者に反米主義・保守派として知られるモジタバ・ハメネイ師が選出されたと報じた。モジタバ師は、米国とイスラエルの空爆で殺害されたハメネイ師の次男。これにより、イランの対抗姿勢が一層強まる可能性が高まっている。

 トランプ米大統領が反対していた人物の選出であり、今後は米・イスラエルが軍事行動を強化してくるだろう。週末にトランプ氏が述べていた、イランの攻撃対象地域や集団の拡大や、特殊部隊の地上投入が現実味を帯びてきた。もっとも、イランの抵抗の激しさから、米政権が狙っていた早期の事態収束が難しいとの見方も広がっている。

 イランからの報復攻撃やホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、中東では原油生産の削減が始まった。これを受けて週明けのWTI原油先物相場は節目の100ドルをあっさりと超え、そこからさらに急騰。当然ながら天然ガス価格も影響は避けられず、欧州の天然ガス価格の指標であるオランダTTF天然ガス先物の動向は注視する必要がある。

 ユーロは、中東有事で買われやすいドルや避難通貨とされるスイスフランとの動きが注目。執筆時点の東京午前では、ユーロドルが昨年11月以来の1.15ドル割れに近づき、ユーロスイスフランは、2015年1月のスイスショック以来の0.90フラン割れまでフラン高が進む場面があった。

 ユーロスイスフランについては、2日にスイス中銀がフラン売り介入を示唆した水準を下回ってきた。中銀は「国際情勢を踏まえ、外国為替市場に介入する意向を強めた」と述べ、0.90フラン前半から0.91フラン前半までユーロ高フラン安が進んだ。中東情勢の悪化がフラン買いに繋がっている中で、為替介入にどの程度の効果があるかを見定めることになりそうだ。

 想定レンジ上限
・ユーロドル、本日寄り付き1.1560ドルを超えると6日高値1.1621ドル
・ユーロスイスフラン、4日高値0.9099フラン

 想定レンジ下限
・ユーロドル、2025年11月5日安値1.1469ドル
・ユーロスイスフラン、2日上昇幅の下方倍返し0.8919フラン


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。