NY為替見通し=中東有事のドル買い再燃か、FOMC議事要旨はタカ派度合いを検証

 本日のNY為替市場では、ドル円は足もとで再浮上してきた中東リスクを注視しつつ、NY午後に公表されるFOMC議事要旨を確認することになるだろう。

 まず中東情勢について、先月の「イスラマバード覚書(暫定合意)」後は戦闘終結期待が高まる一方、核物質の取扱いなど重要な問題は先送りとなったほか、イランの革命防衛隊やレバノンのヒズボラ、イスラエルをどう抑え込むかといった課題が山積しており、最終的な和平に至るか不安がつきまとっていた。

 そうした中、昨日の「イランの革命防衛隊が関与してホルムズ海峡でタンカーが攻撃を受けて船体が炎上」と報じられると、米国は「イラン産原油販売ライセンス撤回」を発表。イランはこの発表を受けて「米が覚書に違反」と非難するなど、双方の非難合戦に発展している。

 本日トランプ米大統領が「覚書は『終わったと思う』」などと発言したことで、これまでの協議が水泡に帰す恐れが出てきた。これにより、欧州時間には原油高・米長期金利上昇の反応を示し、ドル円は18時過ぎに162.56円まで上昇した。

 NY時間でも引き続き米・イラン情勢を注視する必要があり、戦闘再開の恐れが高まる場合は有事のドル買いが意識されやすいと見る。

 ドル円は1日に付けた1986年12月以来の高値162.84円を突破すると、近くはめぼしい目標値が見あたらない。163.00円や163.50円といった心理的節目を手掛かりに上値を試す展開が予想される。ただし、同時に円買い介入への警戒感も高まるため、神経質な値動きとなることも想定しておきたい。

 材料面では、NY午後に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月16-17日分)が公表予定となっている。この時は、FOMC参加者のドットプロットが前回3月の「年内利下げ1回」から「利上げ1回」に転換したことで、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ観測が高まった。また、ウォーシュFRB議長が就任後初めての記者会見で「物価の安定の実現」を強調するなど、総じてタカ派的であった。今回はFRB議長が交代して初の会合であったこともあり、議事要旨からタカ派的度合いを再確認したい。公表後に早期利上げ期待が高まるようならば、ドル買いを後押しすることも考えられる。


想定レンジ上限
・ドル円は、1日に付けた年初来高値162.84円。超えると心理的節目の163.50円

想定レンジ下限
・ドル円は、現時点での本日安値162.03円。割り込むと21日移動平均線161.40円


(川畑)
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