ロンドン為替見通し=ユーロ、中東の地政学リスクを注視 ポンドは新政権の政策思惑で上下も

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、明日に6月米CPIやウォーシュFRB議長の議会証言という重要イベントを控えるなか、中東情勢を注視しながらの展開が予想される。また、ポンドドルは新政権への思惑で上下する展開となりそうだ。

 中東情勢は週末にかけてさらに悪化した。米軍は11日に140カ所のイラン軍事施設を空爆し、翌日の追加攻撃も含めて合計300以上の標的を攻撃した。これに対しイランは革命防衛隊がホルムズ海峡の封鎖を表明し、湾岸諸国の米軍施設を中心に攻撃を拡大。カタールでは民間人にも被害が出た。停戦仲介役のカタールまで攻撃対象となったことで外交的な解決への道は一段と狭まったとの懸念が高まる。

 石油供給への不安が再び高まったことで、週明けの原油先物市場も急騰して始まった。エネルギー価格の高止まりは景気への悪影響を通じてユーロの重石となりやすく、緊張が続く限り「有事のドル買い」の地合いが続く公算が大きい。

 英国に目を転じると、労働党党首選はバーナム下院議員の勝利が確実となった。20日に新首相就任が見込まれるなか、市場の関心は政策の中身に移りつつある。バーナム氏は生活費対策を最優先課題に位置づけており、エネルギー・交通費などへの支援を早期に打ち出す方向だ。

 水道・エネルギー分野への「公的管理の拡大」も掲げられ、財政拡張への懸念は残る。印紙税廃止と土地価値税導入、固定資産税改革なども視野にあり、税制の大幅な見直しが意識されそうだ。リーブス現財務相は「就任直後から衝撃と課題が待ち受ける」と警告し、次の財務相人事が明らかになるにつれ市場が神経質に反応する場面があるだろう。中東情勢によるドル高圧力に加え、バーナム新政権の出方を見極める動きがポンドの上値を抑えるかもしれない。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.1474ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・雲の上限1.3437ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、6月24日安値(年初来安値)1.1325ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・基準線1.3301ドル


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。