東京為替見通し=ドル円、2024年7月「海の日」前の円買い介入の再現に要警戒か

 15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を下回った6月米卸売物価指数(PPI)を受けて米利上げ観測が一段と後退したことで161.90円まで下押ししたものの、円売り圧力は根強く、下値は限定的だった。ユーロドルは、米長期金利の低下とともに一時1.1483ドルまで上値を伸ばした。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、イラン情勢や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)関連の報道を注視しながら、2024年7月の円買い介入の再現に警戒しておきたい。

 米軍が「イランに対する軍事作戦の第2波を開始した」と発表しており、本日も有事のドル買いや原油価格の高止まりが見られれば、ドル円の買い材料となるだろう。

 市場では、2024年のゴールデンウィークに続く、7月の海の日の前に行われた本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の再現を警戒する向きがあるようだ。

 2024年7月15日の海の日を控えた11日と12日に円買い介入が行われた。同年7月11日の円買い介入では、ドル円は高値161.76円から安値157.44円まで下落した。同月12日の円買い介入では、ドル円は高値159.45円から安値157.38円まで下落した。今年もゴールデンウィークに円買い介入が行われており、来週20日の海の日の前週の本日と明日の2日間は、警戒が必要だろう。

 ドル円は1986年以来の162円台で高止まりしているが、これまでの材料とこれからの材料を整理してみる。6月17日のタカ派的なFOMCとウォーシュFRB議長によるインフレ抑制に前向きなタカ派発言などにより、上昇基調を開始した。

 6月30日に公表された「骨太の方針」原案での「責任ある積極財政」と日銀に対する利上げ牽制により、ドル円は1986年以来の高値162.84円、新発10年物国債利回りは1996年以来の高水準2.90%まで上げ幅を拡大した。7月10日には、片山財務相がGPIFの基本ポートフォリオの国内投資重視を示唆したことで、円売り・債券売りはやや沈静化している。

 そこで来週以降のイベント・材料だが、まず21日に「骨太の方針」が閣議決定されるが、「財政健全化」や日銀への利上げ牽制などの文言が修正される可能性に加え、GPIFのポートフォリオが明確にされる可能性に注目することになる。さらに、30-31日の日銀金融政策決定会合での追加利上げの思惑も明確になると思われる。

 また、28-29日のFOMCでは、ウォーシュFRB議長が議会証言でインフレ抑制を再強調したものの、6月米CPIやPPIの伸び率鈍化を受けて、利上げ確率は低下している。しかし、足元の原油価格次第では、予断を許さない状況が続くことになる。さらに、昨年6月5日に公表された米財務省の「外国為替報告書」では、GPIFのヘッジ(円買い)への言及があったことで、そろそろ発表される今年の報告書にも警戒しておきたい。

(山下)
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