東京為替見通し=ドル円、「骨太方針」と中東情勢を注視か

 20日のニューヨーク外国為替市場で、ドル円は、イラン高官の話として「米国とイランの戦闘終結に向けた協議の仲介国が双方に10日間の攻撃停止を提案した」との報道が伝わると一時162.22円まで下押したが、米長期金利が上昇すると162.60円まで上昇した。ユーロドルは1.1403ドルまで下落し、その後の戻りも限定的であった。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、「骨太の方針」最終案を確認しつつ、イラン情勢関連のヘッドラインを確認する展開となるだろう。

 まず、本日の閣議で最終案の決定が予定されている「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針2026)」について、事前報道によると日銀の自主性は尊重される見通し。6月30日に発表された「骨太の方針」の原案では、日銀の追加利上げへのけん制などから円売りが強まる場面が見られただけに注目したい。

 また、市場では高市政権による財政拡張政策への警戒感が根強い。前述の原案では「財政健全化」の文言が削除されたことから、本邦10年債利回りは今月に入り一時2.9%台と1996年9月以来の水準に上昇している。金利上昇については米・イランの対立激化による原油価格の上昇からくるインフレ懸念もあるとはいえ、財政に配慮する姿勢を見せるか気になるところである。

 そのほか消費税減税については、一部で「8月上旬までに方針を決定」と報じられるなど、協議が難航している様子。17日に超党派の社会保障国民会議で「飲食料品の消費税減税に関する与野党の意見集約を断念し、協議を事実上打ち切る見通し」と報じられ、事実上「2027年4月から税率を1%に引き下げる政府、与党案」は首相判断となっている。

 昨日、ドル円は一時162.60円まで上昇するも、引き続き1日につけた1986年12月以来の高値162.84円を前に伸び悩んだ。有事のドル買いのほか、米の年内利上げ観測、本邦の早期利上げ観測後退を背景にドル買い・円売りの地合いとなりやすい中、円買い介入への警戒感が上値を抑える状況が続いている。そうした中、原油高や本邦の長期金利上昇などで上値模索の機運が高まる場面では、おのずと介入警戒感も高まることとなる。神経質な値動きは避けられないだろう。

 緊迫の度合いを増す米・イランを始めとする中東情勢にも注意したい。双方の攻撃応酬が続くなか、昨日は原油高・ドル高の反応が見られた。昨日は一部報道でイラン高官から「仲介国が米国との緊張を緩和する提案をイランに伝達した」と伝えられるなど、和平協議への期待もわずかながら残されている状況である。関連報道に神経質となる展開が続く見通しである。


(川畑)
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