ロンドン為替見通し=ユーロ、ECB理事会に注目

 今週これまでのユーロドルは1.14ドル割れでは下げ渋るも、中東リスクを背景とした「有事のドル買い」が優勢となっていることもあり、1.14ドル前半で伸び悩み、狭いレンジ内の動きにとどまっている。米・イランの攻撃応戦は止まらず、攻撃は拡大傾向も見られており、協議再開の見通しは立っていない。トランプ米大統領はイランの橋や発電所の爆撃を警告し、イランも反発を強めている。緊張感は一段と高まる可能性があり、ユーロは対ドルで上値の重い動きが続きそうだ。

 米・イラン紛争は欧州中央銀行(ECB)の政策決定にも大きな影響を与えている。6月のユーロ圏インフレ指標が予想外に鈍化したこともあり、速やかに行動する必要性は薄れ、今晩のECB理事会では政策金利の据え置きが確実視されている。最近、タカ派と目されるナーゲル独連銀総裁は金融引き締めには「慎重な姿勢を維持すべき」と述べ、チポローネECB専務理事も、中東情勢悪化後の「インフレ期待上振れや賃上げ要求の増加は確認していない」と発言している。今晩のECB理事会では声明やラガルド総裁の会見で追加利上げの可能性を探ることになる。

 欧州天然ガス価格は前回のECB理事会以降に上昇し、米・イランの緊迫化で原油価格など燃料価格が再び上昇基調にあるため、市場ではラガルドECB総裁が会見で次回9月以降は利上げを検討することを示唆すると見込んでいる。ECBがインフレ抑制の姿勢をどれだけ強く打ち出すかが注目されており、9月会合での利上げを意識させるトーンであればユーロの下支えになるが、物価安定リスクは依然上向きながらその度合いは弱まっていることや成長リスクの高まりが強調されると、ユーロは売りに押されそうだ。

・想定レンジ上限
ユーロドルは15日高値1.1483ドル。 
ユーロ円は4月29日安値186.68円。

・想定レンジ下限
ユーロドルは6月24日安値1.1325ドル。
ユーロ円は日足一目均衡表・転換線185.26円。

(金)
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