ロンドン為替見通し=ホルムズ協議前進で緊張緩和、英国は財政規律に試練

 本日のロンドン為替市場は、政府・日銀による円買い介入に警戒しつつ、中東情勢が緊張緩和に向けてどこまで進むかを見極める展開となりそうだ。また英国では、バーナム政権が財政規律を守り抜けるかに注目が集まる。

 イラン情勢では、ホルムズ海峡再開に向けた協議が前進している。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、イランとオマーンは海峡付近にイラン側の入域航路、オマーン側の出域航路をそれぞれ設ける草案で大筋合意。米国や周辺国とも共有した段階にあるようだ。イラン外務省も、オマーンとの間で安全な航路の確保について合意したと認めた。

 もっとも、通行料の徴収は認めない内容とされ、イラン最高指導部の最終承認や、革命防衛隊など強硬派の反応次第では合意が崩れる可能性も残る。それでも原油価格は上値の重い展開が続いており、WTI原油先物の先週末からの下落率は12%前後まで広がった。原油相場を見る限り、全般的な地政学リスクはひとまず和らいでいるとみてよさそうだ。

 一方、欧州では熱波による経済的な負担が意識され始めている。オーストリアでは5日、史上最高となる41.2度を記録し、ハンガリーでは干ばつを受けた節電要請、イタリアでも主要都市への高温警報が発令された。7月下旬には、仏・スペインで山火事が相次ぎ、両国合わせて30万人超が避難する事態となっていた。農作物や電力需給への影響は夏場を通じて尾を引きやすく、インフレや成長率を巡る不透明感としてユーロの重しとなる可能性はある。

 英国では、バーナム政権の財政運営が引き続き焦点となる。英財務省は財政ルール自体は維持しつつ、政府系金融機関を活用した会計上の工夫で年間90億ポンド規模の追加投資余地を検討していると報じられた。ヒーリー財務相も財政規律を守る姿勢を繰り返し強調しており、詳細は10月末の予算案まで持ち越す構えだ。

 現政権はトラス政権時の急激な財政拡張が招いた市場の混乱を教訓としているとみられ、規律と成長投資の両立を慎重に探る姿勢がうかがえる。もっとも、実際にその舵取りに市場が納得するかは、予算案の中身を見るまで判断がつきにくい。

想定レンジ上限
・ユーロドル、200日移動平均線1.1630ドル
・ポンドドル、7月15日高値1.3558ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、3日安値1.1500ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・転換線1.3390ドル


(小針)
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