NY為替見通し=ドル円、中東リスクのドル買い継続か 米7月PPIも焦点

 本日のNY為替市場のドル円は、中東有事によるドル買いが進行するなか、米7月卸売物価指数(PPI)が予想を上回った場合の日米協調円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。

 イラン情勢を巡っては、イラン政府がホルムズ海峡の通航再開の条件として賠償金を請求しているほか、トランプ米大統領も、イランが殺害・重傷を負わせた全ての人々に対する賠償を要求すると表明しており、ホルムズ海峡を巡る合意への期待感は後退している。加えて、米国とイランが6月17日に署名した60日間の暫定的な停戦合意も期限が来週に迫っており、期限切れ後の本格的な交戦への警戒感が高まっている。

 また、本日は30年債入札が予定されており、四半世紀ぶりの高利回りとなる見通しだ。昨日の10年債入札では、落札利回りが4.683%と2007年からの世界金融危機以来の最高水準を記録した。ベッセント米財務長官は10年債利回りを4%以下に抑えることを目指していたが、現状の高金利での借り換えが続けば、年間の利払いが2兆ドルに達する可能性も警戒されている。

 ドル円は、7月31日の日米協調円買い介入を境に、7月23日に付けた高値163.99円から8月3日の安値155.23円まで下落した。しかし足元では、イラン情勢の不透明感を背景とした中東有事のドル買いに加え、高市政権による積極財政への財政悪化懸念からの円売りも重なり、下落幅の半値戻し水準にあたる日足一目均衡表・基準線(159.61円)に接近しつつある。

 ベッセント米財務長官はかねて「我々は、さらなる協調介入への参加を躊躇することはない」と述べており、ドル円が160円台を窺う展開となれば、追加の日米協調円買い介入の可能性にも警戒しておきたい。

 米7月卸売物価指数(PPI)は、前月比で+0.2%と6月の-0.3%から上昇に転じる一方、前年比では+4.9%と6月の+5.5%から伸び率が鈍化すると見込まれている。卸売物価指数には、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視するPCE価格指数に反映されるポートフォリオ運用サービス費などの項目が含まれ、消費者物価指数の先行指標となるため注目度が高い。

 仮に予想を上回った場合は、9月15-16日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率が上昇し、ドル円は160円に向けて上昇することが予想される。一方、7月の消費者物価指数(CPI)のように予想通りか下回った場合は、9月FOMCでの据え置き観測が強まることになる。なお、CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウォッチ」では、9月FOMCの据え置き確率は現状60%程度となっている。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処は160.07円(90日移動平均線)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処は158.60円(8/12安値)


(山下)
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