NY為替見通し=ドル円、7月米CPIの上振れ時に要警戒か 有事のドル買いが進行中

 本日のNY為替市場のドル円は、中東有事のドル買いが進行する中、米国の7月消費者物価指数(CPI)が予想を上回った場合の日米協調円買い介入の可能性に警戒していく展開が予想される。

 ドル円は、7月31日の日米協調円買い介入を受けて、7月23日の高値163.99円から8月3日の安値155.23円まで下落したものの、イラン情勢の不透明感を受けた中東有事のドル買いや高市政権の責任ある積極財政を受けた財政悪化懸念による円売りなどで、159円台まで反発している。

 下落幅の半値戻し、日足一目均衡表・基準線(159.61円)に接近しつつあることで、ベッセント米財務長官が「我々は、さらなる協調介入への参加を躊躇することはない」と述べていたように、追加の日米協調円買い介入の可能性には警戒しておきたい。

 米7月CPIの予想は、前月比+0.1%と6月の同比-0.4%から上昇、前年比は+3.4%と6月の同比+3.5%からの伸び率鈍化が見込まれている。予想を上回った場合は、9月15-16日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率が上昇する可能性が高まることで、160円に向けて上昇することが予想される。逆に予想を下回った場合は、9月FOMCでの利上げ観測が後退して、ドル円の上値が重くなることになる。

 なお、CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、9月FOMCで据え置きと利上げ確率はほぼ五分五分になっている。また参考までに、エネルギー情報局(EIA)のデータによると、ガソリン価格の1ガロン当たり平均は、5月が4.609ドル、6月は4.184ドル、7月は4.064ドルだった。
 
 9月のFOMCに向けて、ウォーシュFRB議長のジャクソンホール会合(27-29日)での発言や28日に米労働統計局(BLS)が発表する年次ベンチマーク改定が控えている。年次ベンチマーク改定では、2025年4月から2026年3月までの非農業部門雇用者数(+27.3万人)の下方修正が見込まれており、インフレ高進懸念と労働市場の悪化というスタグフレーションが警戒されている。最近の年次ベンチマーク改定の下方修正は、2024年が81.8万人、2025年が91.1万人だった。

 イラン情勢に関しては、イラン政府がホルムズ海峡の通航再開の条件として賠償金を請求しており、トランプ米大統領も「イランが殺害し、重傷を負わせた全ての人々」に対する賠償を要求すると表明しており、ホルムズ海峡を巡る合意への期待感が後退している。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、159.61円(日足一目均衡表・基準線)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、158.06円(日足一目均衡表・転換線)



(山下)
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