ロンドン為替見通し=まずは英インフレ指標に注目、その後はECB総裁の講演が焦点に

 本日のロンドン為替市場では、中東情勢には気を配りながらも、まずは序盤に発表される英7月消費者物価指数(CPI)を受けたポンドの動きに注目したい。その後は、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の講演内容が焦点となる。

 英7月CPIを巡っては、単純な総合CPIの上振れ・下振れ以上に、インフレの中身が問われる展開になりそうだ。前日発表の雇用統計では、民間部門の賃金上昇率が2.8%まで鈍化し、求人数もコロナ禍を除けば2014年以来の低水準となるなど、労働市場の減速が確認された。これを受け、英中銀(BOE)の早期の利上げ観測はさらに後退した。一方で、年末にかけては利上げを織り込む向きがまだ多く、先行きの見方は一様ではない。

 こうした地合いのなか今回注目したいのは、前回より減速が予想されている「サービスCPIとコアCPI」の動向だろう。両指標まで上振れれば、エネルギー高による一時的な物価上昇にとどまらず、基調的なインフレ圧力の根強さを示す材料となる。そうなると、前日の賃金鈍化を打ち消す形でポンド買いを誘いやすい。逆にサービスCPIまで鈍化が確認されれば、年末にかけて織り込まれている利上げ観測そのものが縮小する可能性がある。

 日本時間16時10分からは、スイス・ジュネーブで開催される世界経済フォーラム(WEF)国際ビジネス評議会で、ラガルドECB総裁の講演が始まる予定。7月23日の理事会後会見以来、約4週間ぶりとなる公的な発言機会だ。この間、7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)は前年比2.9%とECB目標を上回る水準で高止まりし、市場でも9月利上げ観測が着実に強まった。短期金融市場では、9月理事会での利上げ確率が90%を超えてきた。

 したがって、講演で単に「9月利上げの可能性」に触れるだけでは市場の想定を超えず、材料視されにくい。市場が注視しているのは、利上げ後もなお追加の引き締めが必要になり得るかという点だ。エネルギー高の二次的な波及をどこまで警戒するか、欧州経済の底堅さをどう評価するかといった「利上げ後の政策経路」に関する言及が焦点となる。次回利上げはすでに織り込み済みなだけに、その先への言及一つでユーロの値動きが大きく変わりかねない。


想定レンジ上限
・ポンドドル、5月12日高値1.3615ドル
・ユーロドル、200日移動平均線1.1630ドル

想定レンジ下限
・ポンドドル、日足一目均衡表・基準線1.3423ドル
・ユーロドル、13日安値1.1512ドル


(小針)
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