NY為替見通し=ドル円、中東情勢や米国債券市場を睨みながらの展開か

 本日のNY為替市場のドル円は、主要な経済指標や要人発言の予定がないことから中東情勢や米国債券市場の動向を睨みながらの相場展開が予想される。

 ベッセント米財務長官は、本日、イランに「史上最も厳しい制裁」となる「壊滅的制裁」について発表する予定となっており、内容次第では、米国とイランの対立が激化し、中東有事のドル買いや原油価格高騰によるドル買いに拍車がかかる可能性に警戒しておきたい。
 また、19日に発表した長期債の買い戻し(buyback)規模の倍増(※40億ドル規模)が不発に終わったことで、財政健全化策を発表することを示唆しており、ベッセント米財務長官の発言に要注目となる。

 長期債の買い戻し(buyback)に続き、財政健全化策が、市場からの信頼感を得られなかった場合は、米国債売り、ドル売りになる可能性に警戒しておきたい。

 さらに、今週末には、27-29日に開催されるジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)で、28日にウォーシュFRB議長の講演が予定されており、米財務省との新アコードの可能性にも警戒することになる。
 ベッセント米財務長官は、米国債の利回りの上昇を抑えようとしているが、ウォーシュFRB議長はインフレ抑制のために米国債の利回りの上昇を黙認するスタンスであり、米国の財政政策と金融政策の乖離が警戒されつつある。

 7月31日に米財務省は、ユーロ売り・円買い介入を行ったが、日本の外為特会には、2000年秋に日米欧中銀によるユーロ買い・円売り協調介入で購入したユーロが1兆円以上残っており、本邦通貨当局によるユーロ売り・円買い介入の可能性にも警戒しておきたい。

 また、28日に米労働統計局(BLS)が発表する年次ベンチマーク改定が控えている。
 年次ベンチマーク改定では、2025年4月から2026年3月までの非農業部門雇用者数(+27.3万人)の下方修正が見込まれており、インフレ高進懸念と労働市場の悪化というスタグフレーションが警戒されている。
 最近の年次ベンチマーク改定の下方修正は、2024年が81.8万人、2025年が91.1万人だったが、今回、大幅な下方修正が行われた場合、利上げ観測が後退する可能性にも警戒しておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、159.64円(日足一目均衡表・雲の下限=8/19高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、158.03円(8/20の安値)



(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。