ロンドン為替見通し=ポンド、英雇用データを確認 ユーロは原油先物の動向に注視

 本日のロンドン為替市場でポンドドルは、まず最新の英雇用データ、とりわけ週平均賃金の伸びに注目が集まりそうだ。前回8月に発表された分では、民間部門の賃金上昇率が2020年末以来の低水準を記録した。昨日売られたユーロドルは、依然として原油相場の動向次第の面が残る。なお、本日も複数の欧州中央銀行(ECB)高官の発言が予定されている。

 英雇用統計では、賃金の鈍化に歯止めがかかるかが最大の焦点となる。前回は求人件数も71万件弱と2021年以来の低水準を記録し、労働市場の需給緩和が鮮明だった。一方で、先週末に発表された7月英国内総生産(GDP)は前月比で予想や前回値を上回り、雇用の弱さと景気の底堅さが併存する。

 17日に控える英中銀(BOE)会合では、政策金利3.75%の据え置きが有力視。ただし、米ゴールドマン・サックスは11月、シティグループは年内から2027年初めの利上げを予想するなど、市場は引き締め時期を探っている。明日にインフレ指標を控えるが、今回の賃金統計が弱ければ利上げ観測を後退させる可能性もあるだろう。

 ユーロについては、エネルギー価格の急騰がなお重荷となっている。14日にはシュナーベルECB専務理事が、原油に加えディーゼルなどの精製品や天然ガスの価格動向を問題視し、「最近のエネルギー価格の動向は非常に懸念される」と述べた。ECBのスタッフ見通しでは、天然ガス先物を悪化シナリオでも77ユーロと想定していたが、実際の市場価格はすでに超えてきた。ブレント原油も想定を上回る水準で推移している。

 シュナーベル氏の発言自体は追加利上げを意識したタカ派的なものだが、エネルギー高そのものが地政学リスクを意識した「有事のドル買い」を誘いやすく、昨日のユーロ売りにはこうした側面も影響したとみられる。

 本日はブイチッチECB副総裁やムーラン仏中銀総裁、エスクリバ・スペイン中銀総裁、チポローネECB専務理事など複数の高官の発言が予定される。シュナーベル氏に比べ比較的バランス型の顔ぶれが多く、前日の警戒感をどこまで共有するかに注目。なお18時には9月の独ZEW景況感指数も発表予定で、エネルギー高が企業・投資家心理に影を落とすか確認したい。

想定レンジ上限
・ポンドドル、9日高値1.3568ドル
・ユーロドル、14日高値で日足一目均衡表・基準線も位置する1.1612ドル

想定レンジ下限
・ポンドドル、7月31日安値1.3400ドル
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲下限の1.1487ドル


(小針)
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