東京為替見通し=ドル円、FOMC利上げ観測で強含み 23年10月の再現には要警戒か

 15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、欧州序盤の高値155.24円から154.70円付近まで下押しした後155.21円付近まで持ち直した。米10年債利回りが一時5.0390%前後と2007年7月以来およそ19年ぶりの高水準を記録した。ユーロドルは、ロンドン序盤の安値1.1527ドルから1.1552ドル付近まで値を戻した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、原油価格や米10年債利回りの上昇を受けて堅調推移が予想される。また、明朝発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明でのFF金利0.25%の引き上げは織り込み済みだが、ドット・プロット(金利予測分布図)やウォーシュFRB議長の会見への警戒感も下支え要因となる。しかし、17-18日の日銀金融政策決定会合への警戒感から上値は限定的だと思われる。

 ドル円は、ゴールデンウィークでの本邦通貨当局による円買い介入で155.04円まで下落、7月30・31日、8月3日の円買い介入でも155.23円で下げ止まったことで、155.00円に壁が出来ていた。しかし、日銀金融政策決定会合での大幅利上げや連続利上げ観測、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本ポートフォリオ変更への思惑から、155円を下抜けて、152円台まで下落した後に下げ止まったことで、1月23日の日米協調レートチェックの後の年初来安値152.10円が壁として意識されている。

 現状のドル円は、再び155円台に乗せてきており、日米通貨当局のドル高・円安抑制の可能性には警戒しておきたい。

 また、米10年債利回りが2023年10月23日(※5.0187%)以来の5.0%台に乗せ、2007年以来の高水準まで上昇してきた。ただし、2023年には米国の金融・財政措置により3.8%まで低下し、ドル円も150円台から140円台まで下落しており、再現の可能性には警戒しておきたい。

 当時のパウエルFRB議長は、FF金利誘導目標を0.00-25%から5.50-5.75%へ引き上げたが、「長期金利の上昇自体が、利上げと同じ金融引き締め効果を果たしている」との理由で追加利上げを見送った。また、米財務省が、長期国債の発行増額を抑えて、短期国債への依存度を高める方針を示したことで、市場の「国債供給過剰パニック」が沈静化した。

 明朝発表されるFOMC声明では、FF金利誘導目標が0.25%引き上げられて3.75-4.00%に決定されることがほぼ確実視されている。注目ポイントは、米連邦準備理事会(FRB)の政策金利の変更が単発では終わらずに連続するため、ドット・プロットでの次回の利上げ時期やターミナルレート(政策金利の最終到達水準)となる。さらに、インフレ抑止に意欲を示しているウォーシュFRB議長の会見にも要注目となる。

 据え置かれる可能性としては、ウィリアムズNY連銀総裁が「インフレは緩やかな低下傾向にあり、金利は適切な水準にある」、ウォラーFRB理事が「適切な政策スタンスに関する自分自身の判断は、8月のインフレ動向から得られる情報に大きく左右される」と述べていたことが挙げられる。

 著名投資家で米債券運用大手ダブルライン・キャピタルの最高経営責任者のガンドラック氏は、FRBが市場の予想に反して金利を据え置いた場合、米長期債利回りの新たな上昇を招き、歴史的な債券売りが一段と深まる可能性があると警告している。一方、利上げに踏み切れば、債券市場はおそらく現在の水準付近にとどまると予想している。


(DZH)
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