ロンドン為替見通し=ユーロドル、物価指標と仏金利にらみ小動きか

 本日のロンドン為替市場では、ユーロドルはインフレ指標や仏長期金利の動向を見極めつつ、9月米雇用統計を待つ展開となるかもしれない。

 まず9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値について、市場予想は前年比+3.7%、コアは同+2.5%と前回(+3.2%、+2.4%)より伸びの加速が見込まれている。直前で発表された9月独消費者物価指数(CPI)では、米・イランの戦闘状態によりエネルギーコストが増加した影響を受けて伸びが加速したことが明らかとなった。このことから、本日のHICPについても上振れが見込まれている。予想を上回る伸びとなれば、インフレへの対応から欧州中銀(ECB)の10月利上げ観測が浮上することもあり得る。

 他方、フランスの2027年予算案を巡る政治・財政への懸念はユーロの上値を抑える要因として立ちはだかる。昨日仏政府は予算案を議会に提出したが、市場では赤字削減の実現に懐疑的な見方が広がっている。仏10年債利回りは世界的なインフレ懸念が根底にあるとはいえ、一時4.96%台まで上昇して節目の5%に迫った。来年春の仏大統領選挙を控えて与野党の対立が深まる中、審議の難航が予想されている。財政再建へ向けた道筋が見通せない中、政局に不透明感が漂うようならば、仏長期金利が一段と上昇してユーロの重しとなるかもしれない。

 インフレ圧力の点では、原油相場の動向も、引き続き気になるところだ。昨日は「トランプ米大統領がイランへの再爆撃を考えていると側近に語った」との報道を受けて中東情勢に不透明感が漂い、WTI原油先物価格が上昇した。原油価格の上昇が世界的なインフレへとつながっている現在、中東情勢が緊迫化することがあれば、特に米長期金利が上昇してドル買いが優勢となる事も考えられる。引き続き、関係者の発言には気をつけたい。

 また、本日は、序盤にムーラン仏中銀総裁やチポローネECB専務理事、レーン・フィンランド中銀総裁やスレイペン・オランダ中銀総裁の発言機会が予定されている。この中では、ハト派と目されるチポローネ専務理事の発言は気になるところ。その後、ブイチッチECB副総裁の講演も予定されている。

 もっとも、NY市場での米9月雇用統計の発表を控え、イベント前に様子見ムードが漂うようならば、売買が手控えられて小動きに終始することも考えられる。


想定レンジ上限
・ユーロドル、5日移動平均線1.1306ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、ピボット・サポート2の1.1143ドル


(川畑)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。