NY為替見通し=ドル円、明日の雇用統計を前に調整主導の動きか

 本日のNY市場のドル円は、米中間選挙後の米国政治を巡る不透明感や米長期金利の動向、さらに米国とイランの和平協議の行方をにらみながら、158円を挟んで神経質な展開が予想される。ただ、明日発表の米雇用統計を控えて積極的な売買は手控えられやすい。

 米中間選挙では民主党が上下両院で多数派を獲得したことを受け、トランプ政権の政策運営に制約が強まるとの見方が広がっている。関税政策や対イラン強硬策、財政政策などの先行きに不透明感が生じる一方、議会による財政拡大への歯止めや中東情勢の沈静化期待から米国債利回りが低下し、ドルの上値を抑えている。

 一方、金融政策面ではFRBの今後の政策運営を巡る市場の見方にも変化が出ている。市場では12月FOMCでの25bp利上げ確率が約8割まで高まっており、インフレ圧力への警戒が米金利を下支えしている。ただ、明日の米10月雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比6万人増、失業率4.2%と予想されている。前日のADP雇用統計は8.6万人増と市場予想を上回ったものの、ISM非製造業景況指数は54.5と予想の54.8を下回っており、米景気の強さを判断するにはなお慎重さが必要である。本日の新規失業保険申請件数(予想19.6万件)やFOMC関係者の発言が注目される。

 日本側では、日銀の追加利上げへの思惑が意識されており、12月利上げ観測が円の下支えとなる可能性がある。また、7月末の日米協調による円買い介入を経ても、政府・財務省は必要に応じて追加対応を辞さない姿勢を維持している。もっとも、ベッセント米財務長官は8月末、円の動きは「かなり抑制されている」との認識を示しており、足もとの相場水準だけで直ちに介入警戒が強まるわけではない。ただし、短時間で円安が進む場合には投機的な円売りを抑制する要因となろう。

 中東情勢では、米国とイランの戦闘終結に向けた外交的解決への期待から原油価格が下落し、インフレ懸念の後退と米金利低下を通じてドルの上値を抑えている。ただ、イラン側は米国の提案に不満を示しており、交渉の進展は依然不透明である。

 本日のNY市場では、米新規失業保険申請件数やFRB高官の発言を確認しながら、明日の雇用統計を前にしたポジション調整が中心となりそうだ。米金利の低下が続けば157円台への下押しも想定される一方、158円台を維持すれば買い戻しも入りやすい。ドルの上値は重いものの、明日の米雇用統計を前に一段の下値追いも限られ、157円台後半から158円台を中心とした方向感の出にくい展開を予想する。

・想定レンジ上限
 ドル円、90日移動平均線158.83円や10月14日高値158.95円が上値めど。

・想定レンジ下限
 ドル円、日足一目均衡表・基準線157.52円や同雲の下限157.18円が下値めど。


(金)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。