東京為替見通し=介入警戒感が依然としてドルの重し、日米首脳会談には要警戒

 昨日の海外市場でドル円は、欧州市場序盤には一時156.83円まで値を下げたものの、WTI原油先物相場が下げ渋ったほか、米長期金利の指標となる米10年債利回りが上昇に転じたこともドル買いを誘い157.60円付近まで持ち直した。ユーロドルは一時1.1429ドルと日通し安値を更新した。9月ユーロ圏消費者信頼感速報値が予想を下回ったことも相場の重しとなった。

 本日のアジア市場のドル円も、強いドル買いセンチメントが支えとなる一方、本邦通貨当局による介入への警戒感から上値は限られるだろう。また、日本時間午前に予定されている日米首脳会談にも注目したい。

 昨日のNY市場では、主要通貨に対するドルの総合的な価値を示すドル・インデックスが7月末以来の水準まで回復するなど、ドル買いが優勢となった。ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長は7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で信認を失ったとの見方もあったが、先週はインフレ抑制に向けて利上げなど明確な姿勢を示したことで、米トリプル安が回避され、ドルの下支えとなっている。

 一方、ドル円ではドル買いが進む中でも、先週157円後半で日銀がレートチェックを行ったことで介入警戒感が根強い。7月末の日米協調介入やG20後のベッセント米財務長官の発言を踏まえると、米国が円安阻止に向けてこれまで以上に協調姿勢を強めている可能性があり、ドル円の上値を追うにはリスクが大きい。

 また、先週の日銀金融政策決定会合では、高市首相が任命した浅田・佐藤両委員が利上げに反対した。ベッセント氏が日本のリフレ政策に否定的な姿勢を明確にしていることを踏まえると、来年新たに任命される2名の委員についても、政権がリフレ派を選びにくくなる可能性がある。日米の政策を巡る圧力が強まれば、これまでのような円安を容認する環境はさらに後退しそうだ。

 日米首脳会談では、24日に米中首脳会談を控えていることもあり、中国を巡る日本の立場の説明が主要テーマになるとみられ、金融・為替政策が大きく取り上げられる可能性は高くない。ただ、トランプ米大統領の突発的な発言には警戒したい。国防費の積み増しなど、安保面での負担増を要求する可能性がある。

 高市首相は「ドナルドと私が世界に日米同盟の強さを示す」と述べている。首脳会談で日本側が米国の要求を受け入れ、防衛費やODA・支援金の増額につながれば、財政拡大を通じて円安圧力が再び強まる可能性がある。ドル買いの勢いと介入警戒、さらに日米間の政策圧力が交錯することで、ドル円は上値を追いにくい展開が続きそうだ。

 なお、本日は本邦国内市場が祝日で休場だが、アジア・オセアニアからも経済指標は8月シンガポール消費者物価指数(CPI)が発表される程度で、アジア時間に大きなイベントは予定されていない。


(松井)
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