欧州マーケットダイジェスト・11日 株まちまち・金利上昇・ドル安

(11日終値:12日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.51円(11日15時時点比▲0.48円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=166.15円(△0.55円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1497ドル(△0.0075ドル)
FTSE100種総合株価指数:8864.35(前営業日比△11.27)
ドイツ株式指数(DAX):23948.90(▲38.66)
10年物英国債利回り:4.552%(△0.010%)
10年物独国債利回り:2.535%(△0.012%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は下落。ロンドンで開かれた米中貿易協議を受けて、トランプ米大統領は自身のSNSに「習近平中国国家主席と私が最終承認すれば中国との合意は完了」と投稿し、「中国からレアアース(希土類)が前倒しで供給される」と言明した。米中貿易摩擦の緩和期待から円売り・ドル買いが先行すると、21時過ぎに一時145.46円まで値を上げた。
 ただ、米労働省が発表した5月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.1%/前年比2.4%と前月比で予想を下回ったほか、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.1%/前年比2.8%といずれも予想を下回ると、一転円買い・ドル売りが優勢に。21時30分過ぎに144.33円と日通し安値を更新した。
 そのあとは145.18円付近まで下げ渋る場面もあったが、買い戻し一巡後は再び上値が重くなった。3時過ぎには144.39円付近まで押し戻された。

・ユーロドルは底堅い動き。欧州中央銀行(ECB)による利下げ局面が終わりに近づいているとの見方が強まる中、独長期金利の上昇とともユーロ買い・ドル売りが先行。5月米CPIが予想より弱い内容となったことが分かると全般ドル売りが活発化し、3時過ぎには一時1.1500ドルと4月22日以来の高値を更新した。

・ユーロ円は強含み。ECBの利下げ観測が足もとで後退する中、円売り・ユーロ買いが先行。米中貿易摩擦の緩和期待から円売り・ユーロ買いも出やすく、23時過ぎには一時166.42円と昨年10月31日以来の高値を付けた。ただ、ドル円の下落につれた売りが出ると伸び悩んだ。

・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。本日の中国株や日本株が上昇したことを受けて、英株にも買いが入った。英利下げ期待の高まりも相場を下支えした。ナショナル・グリッドやSSEなど公共事業株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。

・フランクフルト株式相場は小幅ながら4日続落。米中貿易摩擦の緩和期待は相場を下支えしたものの、独長期金利の上昇などが嫌気されて終盤失速した。個別ではドイツテレコム(1.71%安)やブレンターク(1.65%安)、インフィニオン・テクノロジーズ(1.49%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。ECBによる利下げ観測の後退を背景に売りが出た。

(中村)
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