ロンドン為替見通し=欧州通貨は上値重いか、ECB利上げ期待の後退とNYのイベント控え様子見も

 本日のロンドン外国為替市場でユーロドルは欧州の重要経済指標の発表に加え、ニューヨーク時間に向けて主要中銀トップによるイベントが控えていることから、徐々に様子見ムードが広がるなかで上値の重い展開が予想される。足もとでは米国の利上げ観測がドルを支える一方、本日発表される欧州のインフレ指標が前月から鈍化する見通しとなっており、欧州中央銀行(ECB)による追加利上げ期待の後退が相場の重石となりそうだ。

 市場の注目が集まるのは、ロンドン時間に発表される6月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値だ。今回の市場予想は前年比+3.0%と、先月のピークである+3.2%からの鈍化が見込まれている。前日にはタカ派として知られるウンシュ・ベルギー中銀総裁が「追加利上げの根拠は以前ほど強くない」と言及し、慎重姿勢をにじませた。予想通りの鈍化が確認されれば、ECBのさらなる引き締めに対する警戒感が和らぎ、ユーロ売り・ドル買いの圧力が一段と強まる可能性がある。

 また、HICPの前に発表される欧州各国の6月製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値にも注目したい。欧州の製造業は、長らく続いた低迷期を脱し緩やかな回復傾向にあるものの、足元ではその勢いが鈍化している。背景には、中東情勢の緊迫化に伴うサプライチェーンの混乱や、エネルギー・原材料価格の再高騰がある。インフレ動向とあわせて、足もとの景気動向を見極めたい。もっとも、これら欧州の材料を消化した後は、ロンドン時間後半にかけて徐々に値動きが膠着する可能性も一考しておきたい。

 ニューヨーク時間には、ポルトガルで開催中の「ECBフォーラム」の締めくくりとして、ラガルドECB総裁、ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長、ベイリー英中銀(BOE)総裁、マックレム・カナダ中銀(BOC)総裁らによるパネルディスカッションが予定されている。さらに6月米ISM製造業景気指数の発表も控えている。これらイベントを前に手控え姿勢を強めやすいだろう。

想定レンジ上限
ユーロドル、6月30日高値の1.1437ドル

想定レンジ下限
ユーロドル、6月23日安値の1.1325ドル

(越後)
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