東京為替見通し=ドル円、介入を警戒しつつ上値を試す動きが続くか

 昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。5月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を上回ったこともドル買いの後押しとなり、162.67円まで約39年半ぶりの高値を更新した。ユーロドルは月末・四半期末を迎えたロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測され、一時1.1437ドルまで値を上げ、ユーロ円は185.86円まで高値を更新した。

 ドル円は昨日に厚い壁となっていた節目の162円を突破した。162円近辺に設定されていたノックアウトオプションを消化したことで、関連ヘッジやポジションの再構築に伴う円売り需要が新たに出てくる可能性が高いとの見方も少なくない。1986年の162円台というのは、プラザ合意後の急速な円高局面での水準であり、上値にこれといった目安水準は見当たらない。

 引き続き「円買い介入」が焦点となっており、介入を警戒しつつも上値を試す動きは続きそうだ。介入だけではドル高・円安トレンドを変えることができないとの見方が多く、神経質ながらも押し目では買いが入りやすい。日本当局の円買い介入はいつ入ってもおかしくない水準であるが、投機筋は介入を警戒するどころか、むしろ歓迎する雰囲気もあるようだ。介入でドル安・円高に傾いた時のドル円を「絶好の買い場」と捉えているからだ。

 本日の東京市場では日銀短観(6月調査)が発表される予定。予想と大きくかい離しない限り、ドル円の値動きへの影響は限定的とみている。ただ、短観が市場予想を上回り、設備投資計画の上方修正や価格転嫁の進展など、企業活動の底堅さを示す内容となれば、日銀の追加利上げ観測が強まる可能性がある一方で、景況感の悪化や設備投資計画の慎重姿勢が確認されれば、追加利上げ観測の後退につながる可能性はある。

 NYタイムでは6月ADP雇用統計・6月ISM製造業景況指数など注目の米経済指標の発表やウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が予定されており、ドル円の動意が強まることも念頭に置きたい。中東情勢の不確実性は払しょくされていないが、最近のドルは米金融政策見通しをにらんだ動きが活発になっている。6月の米国連邦公開市場委員会(FOMC)後、議長として初の記者会見に臨んだウォーシュFRB議長が「インフレ抑制を最優先するタカ派」という印象を市場に与えたことも、米利上げ期待を高める要因となった。

(金)
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