ロンドン為替見通し=ユーロドル、「有事のドル買い」を意識した動きか 中東情勢が再び悪化

 ロンドン外為市場のユーロドルは、再び悪化した中東情勢を受けた「有事のドル買い」を意識した動きとなりそうだ。米軍がイランへの攻撃を再開し、米財務省もイラン産原油への制裁緩和を撤回したことで、6月の覚書署名後に一時和らいでいた地政学リスクへの警戒感が一気に高まっている。

 イラン革命防衛隊が昨日、ホルムズ海峡を通過中の商船3隻にミサイルや無人機で攻撃。米中央軍はこれを「停戦の明白な違反」と断じ、防空システムや無人機発射拠点、港湾施設など複数の軍事拠点を標的とした報復攻撃に踏み切った。米当局者によると今回の攻撃規模は覚書署名後としては最大で、それ以前の攻撃の4-5倍に及ぶという。米側は依然として停戦は有効との立場を崩していないが、イランは「覚書違反」と非難し対抗措置を示唆。核問題の技術協議もハメネイ師の葬儀を理由に停止中で、和平プロセスの先行きは見通しにくい状況に逆戻りした。

 こうした情勢の急変はエネルギー市場を直撃した。WTI・ブレント原油先物が急騰したほか、欧州の天然ガス先物も時間外取引で跳ね上がった。エネルギー価格の一段の上昇はユーロ圏のインフレ再燃リスクを高め、欧州中央銀行(ECB)の政策運営を一段と複雑にする。ECBの追加利上げ期待がユーロを支える場面があるかもしれないが、地政学リスクの高まりを背景としたドル需要が勝りやすい地合いとなりそうだ。

 なお、本日は欧州時間に複数のECB当局者の講演が予定されている。タカ派として知られるコッハー・オーストリア中銀総裁を皮切りに、ナーゲル独連銀総裁、ドレンツ・スロベニア中銀総裁、ムーラン仏中銀総裁が発言する見込みだ。エネルギー価格の上昇を背景にインフレへの警戒姿勢を強める発言が出れば、ECBの追加利上げ期待を補強しうる。一方、中東情勢の悪化が域内景気への下押し圧力として意識され、慎重な姿勢が前面に出るようであれば、ユーロの重石となろう。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・基準線1.1485ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、6月24日安値(年初来安値)1.1325ドル


(小針)
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