東京為替見通し=ドル円、高値圏の攻防 為替介入警戒と原油高が交錯
22日のニューヨーク外国為替市場で、ドル円は中東情勢の緊迫化を背景とした原油高に加えて、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが出ると一時163.18円付近まで値を上げるも、アジア時間に付けた日通し高値163.22円や前日に付けた1986年12月以来39年7カ月ぶりの高値163.24円を上抜けることは出来なかった。ユーロドルは、一時1.1422ドルまで上昇するも、前日の高値1.1429ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩み。ただ、欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前に様子見ムードも強く、大きな方向感は出なかった。
本日の東京外国為替市場のドル円は、21日に続いて昨日も163円台に乗せて終えたことで、引き続き上値が意識されやすいと見る。
21日に1986年12月以来となる163円台に乗せたことで、翌22日は財務相など金融当局者からの円安けん制発言の内容が注目されたものの、片山財務相の発言は「必要があればいつでも適切に断固たる対応をする」など、従来と変わらないものであった。緊迫度が低い内容と言わざるを得ず、政府の姿勢は円安容認と解されても仕方ない。市場では「責任ある積極財政」を掲げる高市首相が日銀の利上げについて否定的と解されていることも、円売りを後押ししている。
足もとのドル円の上昇要因として、円安と共にドル高である点は見逃せない。不安定な中東情勢を背景に原油は高止まりを続けたことで、インフレ圧力となって米国では年内利上げ観測が復活していることが、ドル買いを後押ししている。
現状のドル円の上昇はドル買い・円安が合わさった結果との見方から、市場では日銀が実弾介入をしても効果は限定的との見方が多い。21日高値163.24円を突破すると、1986年12月高値163.95円が視野に入りそうだ。もっとも、円買い介入への警戒感は依然として漂っていることが積極的な上昇を抑制している面がある。そのため、上昇してもスピードは緩やかになると見る。
介入以外に注意すべきは、昨日の日銀の追加利上げに前向きとなる報道や、一部で噂される円安対策としての日本版レパトリ、10日に片山財務相が発言したGPIFのポートフォリオのリバランスに関する報道など、円買いを呼び込む施策への報道だろう。とはいえ、現在のドル高・円安の流れを変えるほどのインパクトがあるかは不透明な部分もあり、ドル円が下押しても一時的かもしれない。
中東情勢について、依然として米・イランの攻撃の応酬が続いている状態であり、昨日WTI原油先物価格は一時88ドルに上昇した。原油価格は6月後半に70ドルを割り込むも、その後はじり高での推移となっており、インフレ圧力となりやすい状況にある。攻撃が激化する場面では原油高と共に有事のドル買いが意識されやすいと見る。引き続き、関連報道に関心を払っておきたい。
他方、豪州で6月雇用統計が発表予定。市場予想では失業率は4.4%と前月並み、新規雇用者数は1.50万人増と前月の4.03万人増を下回ると見られている。前回は新規雇用者数の増加を手掛かりに豪ドル買いが入るも、内訳は非正規の大幅増によるものであったため上値は限られた。内訳を含めて豪州の雇用状況を確認したい。
(川畑)
本日の東京外国為替市場のドル円は、21日に続いて昨日も163円台に乗せて終えたことで、引き続き上値が意識されやすいと見る。
21日に1986年12月以来となる163円台に乗せたことで、翌22日は財務相など金融当局者からの円安けん制発言の内容が注目されたものの、片山財務相の発言は「必要があればいつでも適切に断固たる対応をする」など、従来と変わらないものであった。緊迫度が低い内容と言わざるを得ず、政府の姿勢は円安容認と解されても仕方ない。市場では「責任ある積極財政」を掲げる高市首相が日銀の利上げについて否定的と解されていることも、円売りを後押ししている。
足もとのドル円の上昇要因として、円安と共にドル高である点は見逃せない。不安定な中東情勢を背景に原油は高止まりを続けたことで、インフレ圧力となって米国では年内利上げ観測が復活していることが、ドル買いを後押ししている。
現状のドル円の上昇はドル買い・円安が合わさった結果との見方から、市場では日銀が実弾介入をしても効果は限定的との見方が多い。21日高値163.24円を突破すると、1986年12月高値163.95円が視野に入りそうだ。もっとも、円買い介入への警戒感は依然として漂っていることが積極的な上昇を抑制している面がある。そのため、上昇してもスピードは緩やかになると見る。
介入以外に注意すべきは、昨日の日銀の追加利上げに前向きとなる報道や、一部で噂される円安対策としての日本版レパトリ、10日に片山財務相が発言したGPIFのポートフォリオのリバランスに関する報道など、円買いを呼び込む施策への報道だろう。とはいえ、現在のドル高・円安の流れを変えるほどのインパクトがあるかは不透明な部分もあり、ドル円が下押しても一時的かもしれない。
中東情勢について、依然として米・イランの攻撃の応酬が続いている状態であり、昨日WTI原油先物価格は一時88ドルに上昇した。原油価格は6月後半に70ドルを割り込むも、その後はじり高での推移となっており、インフレ圧力となりやすい状況にある。攻撃が激化する場面では原油高と共に有事のドル買いが意識されやすいと見る。引き続き、関連報道に関心を払っておきたい。
他方、豪州で6月雇用統計が発表予定。市場予想では失業率は4.4%と前月並み、新規雇用者数は1.50万人増と前月の4.03万人増を下回ると見られている。前回は新規雇用者数の増加を手掛かりに豪ドル買いが入るも、内訳は非正規の大幅増によるものであったため上値は限られた。内訳を含めて豪州の雇用状況を確認したい。
(川畑)