NY為替見通し=ドル円、上値重い動きの持続力を見極める展開か

 本日のNY為替市場では、ドル円は中東情勢を意識しつつ、東京時間から続いている上値の重い推移の持続力を見極める展開となるかもしれない。

 週末に米軍が対イラン攻撃を一旦停止し、イランも報復を控えたことで、週明けは時間外のWTI原油先物価格が急落すると共に「有事のドル買い」に巻き戻しが入り、ドル円は弱含みで推移した。欧州序盤にイラン外務省報道官が「現在米国との対話や交渉を行っていない」と述べるとややドルが買い戻されたものの、上値の重い展開となっている。

 ドル円について、現状では下落要因が少なめとなっており、米・イラン情勢の緊張緩和以外では、円買い介入くらいしか見当たらない。ただ、前週に1986年12月以来となる164円目前まで上昇したこともあり、上昇に対する達成感が一旦出るようならば、NY市場でもポジション調整のドル売り・円買いが入る余地はあると見る。引き続き、中東情勢関連報道を始め、株価や原油相場の動向に気を配りたい。

 ただ、下押す動きは出ても限定的かもしれない。まず米国要因では、米国の年内1回の利上げ観測を背景とするドル買いが下値を支えている。本邦要因では、高市政権による財政拡張的政策への懸念、それにより日銀の利上げが後手に回るとの懸念を背景とした円売りも根強い。ドル・円共に材料が出ている中、市場では円買い介入を実施しても影響は限定的との見方が優勢である。

 また、前週に伝えられた片山財務相の円安けん制発言が切迫感を感じさせる内容ではなかったこともあり、本邦政府は円安を容認していると解されても仕方ない状況となっている。そうしたことも、円売りに安心感を与えている状況である。

 現状ではこれらの材料を覆すのは容易ではなく、ドル円は下値模索の動きが一服したら上値を試す動きに戻りやすいと見る。23・24日の上値を抑えた節目の164円を突破するようなことがあれば、本邦金融当局の動きを気にしつつ164.50円や165.00円といった、きりの良い水準を手掛かりに上値を試すことも考えられる。

 なお、NY時間に予定されているイベントは、午前に6月米耐久財受注額、午後に2年債と5年債の入札程度と少なめ。米要人発言については米連邦公開市場委員会(FOMC)のブラックアウト期間中のため予定されていない。29日のFOMC結果公表を見極めたいとして様子見ムードが漂う展開もあり得る。


想定レンジ上限
・ドル円は、23日高値163.99円。超えると心理的節目164.50円

想定レンジ下限
・ドル円は、日足・一目均衡表の転換線162.95円。割り込むと21日移動平均線162.48円


(川畑)
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