ロンドン為替見通し=FRB不信がドルの戻りを阻む、ユーロ優位継続か

 本日は欧州、米国ともに市場を大きく動意づけるような経済指標の発表は予定されていない。そのため、市場では先週の米雇用統計の余波がどの程度続くのかを見極めながら、米国とイラン間の緊張やホルムズ海峡を巡る報道などを材料にした相場展開となりそうだ。

 先週発表された米雇用統計は低調な結果となり、発表後はドル売りが進行した。ただ、ホルムズ海峡を巡る混乱を背景に原油価格が上昇するなか、米長期金利も雇用統計発表前の水準まで戻しており、ドル売りの勢いは一旦止まっている。

 もっとも、米債売り(利回り上昇)については、前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)後から強まっている、別の側面にも注意する必要がある。市場関係者や著名エコノミスト、FEDウォッチャーなどの間では、ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長のFRB運営に対する不信感が広がっており、こうしたFRBへの信頼低下が米債売り圧力を強めている面もある。

 加えて、これまで市場から比較的信頼されていたベッセント米財務長官についても、ウォール・ストリート・ジャーナル紙がFRBの独立性を巡る批判記事を掲載したことをきっかけとしたのか、同紙のFEDウォッチャーとしても知られるニック・ティミラオス氏をX上で名指しで批判した。これを受け、市場では米政権による金融当局への介入を示唆する動きとの見方も出ている。

 米金融当局に対する信頼性の低下が続けば、米金利上昇が必ずしもドル買いにつながらず、むしろユーロ買い・ドル売りセンチメントを支える可能性がある。ユーロドルが引き続き堅調な地合いを維持できるか、米金融当局を巡る市場の不信感がドルの上値を抑える要因として意識されるかが、本日の欧州市場でもポイントとなりそうだ。

・想定レンジ上限
 ユーロドル:200日移動平均線1.1630ドル

・想定レンジ下限
 ユーロドル:8月3日安値1.1500ドル


(松井)
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