東京為替見通し=介入で生じた歪みが円安を加速、当局の次の一手は?

 昨日の7月米消費者物価指数(CPI)が市場予想通りの結果となったことが分かると、一時158.69円付近まで下押しした。ただ、米長期金利が上昇に転じたことも相場を下支えし、3時過ぎには一時159.54円と7月31日以来の高値を更新した。ユーロドルは米CPI発表後1.1563ドルまで上昇したが、その後1.1520ドルまで弱含んだ。

 本日の東京市場のドル円も、引き続き本邦為替当局による円買い介入の有無が最大の焦点となるだろう。経済指標では7月の企業物価指数が発表され、輸入物価の動向にも注目が集まるものの、市場を大きく動意づけるほどの材料となる可能性は低そうだ。

 昨日はドルの買い戻しが入った面もあるが、8月3日にゴールデンウイーク後の2シリーズ目を締めくくる円買い介入が実施されて以降、ユーロドルは8月3日早朝から昨日まで1.15ドル前半を中心に横ばいで推移している。一方、ドル円は3日早朝の水準から2円超、3日の安値からは4円超もドル高・円安が進んでいる。この値動きを見れば、今回の介入が円安の流れを変えるどころか、介入によって生じた市場の歪みを通じて、むしろ円安圧力が強まっていることが浮き彫りになっている。

 加えて、高市政権が財政健全化への責任を後退させた政策運営、具体的には「骨太の方針」から財政健全化目標を除外したことや、トランプ米大統領との合意に基づく対米投資など、円安を促す政策が根本的な要因として残っている。こうした状況では、為替介入だけで円安トレンドを押しとどめるのは容易ではない。

 市場では、155円台よりもさらに円安水準となる157-158円台でもドルを買わなければならないという買い遅れ感が生じている。今後、本邦為替当局がゴールデンウイーク中の介入と同様、追撃の介入を行わないのであれば、円安は再び勢いを取り戻し、164円を超えて約40年ぶりの円安水準を更新する展開も避けられないだろう。本日も介入への警戒感は根強いものの、実際に介入が入らなければ、ドル円はじりじりと上値を切り上げる展開を予想する。

 経済指標では、7月の輸入物価指数が発表される。6月は前年比29.7%まで上昇し、円ベースの輸入物価指数も196.8と、1982年10月に記録した過去最高の198.1に迫る水準となった。円安による輸入物価の押し上げが数字にも明確に表れている。

 もっとも、市場ではすでに米国からの圧力も加わり、9月の日銀利上げを織り込む動きが進んでいる。もともと高市首相は日銀の利上げに慎重な姿勢を示しており、日銀の金融政策委員についても高市首相がリフレ派を指名していることから、50ベーシスポイントの大幅利上げなどは期待しにくい。そのため、仮に輸入物価がさらに上昇したとしても、積極的な利上げが期待できない状況では、円買い材料としての効果は限定的となるだろう。


(松井)
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