ロンドン為替見通し=ユーロドルは伸び悩みか、欧州の政治リスクも重し

 本日のユーロドルは、1.16ドル台を中心とした小動きが続きそうだ。欧州ではドイツ、フランスの7月貿易収支が発表されるものの、足元では欧州政治と原油価格、10日の欧州中央銀行(ECB)理事会に向けられており、貿易統計の結果がユーロの値動きに大きな影響を与える可能性は低い。

 ドイツ7月貿易収支は前月とほぼ同水準の159億ユーロの黒字額が見込まれている。ドイツ経済は輸出産業を中心に米国の関税や中国との競争激化の影響を受けており、輸出の弱さが確認されれば、景気の先行き懸念からユーロの上値を抑える材料となり得るか。特に中国向けでは輸出競争力の低下が続いており、ドイツの対中貿易赤字拡大も構造的な問題となっている。

 一方、フランスでは財政問題が引き続きユーロの重しとなる。財政赤字削減を巡る政府・議会の協議が難航すれば、フランス国債利回りや独仏金利差への警戒が強まり、ユーロ売りにつながりやすい。ドイツでも6日の州議会選挙で極右AfDが約44%を獲得し、戦後初となる州政権獲得の可能性が浮上した。メルツ首相率いるCDUは大敗しており、ドイツ国内の政治分断への警戒がユーロの上値を抑える可能性がある。

 ただし、ユーロ売り一辺倒ともなりにくい。中東情勢の緊迫化を背景に原油価格が上昇しており、エネルギー価格上昇によってユーロ圏の8月インフレ率は3%台に上昇した。ECBは10日の理事会で0.25%の追加利上げを行うとの見方が大勢となっている。市場では今回の利上げが最後になるとの見方が多いものの、原油高が長期化すれば追加利上げ観測が強まり、ユーロを下支えする要因となる。

 ドル側では、先週発表された米8月雇用統計が予想以上に強く、FRBの利上げ観測が高まっていることがユーロドルの上値を抑える。今週は米8月CPIを控えており、原油高が米インフレを押し上げるとの警戒も強い。米CPIの結果を待つ段階ではドル買いも一方向には進みにくい。

・想定レンジ上限
 ユーロドルは8月28日高値1.1658ドルや同25日高値1.1680ドル。 

・想定レンジ下限
 ユーロドルは4日安値1.1585ドルや90日移動平均線1.1546ドル。

(金)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。