東京為替見通し=ドル円、神経質な展開が続く見通し 中国では物価指標の発表も
8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、GPIFによる基本ポートフォリオ変更に対する過度な警戒感が後退したほか、日銀の大幅利上げへの思惑も和らいだことで欧州時間に154.42円で上昇が一服すると、NY市場では154円挟みの動きとなった。NY終盤に154円台前半から153.46円付近まで急落したが一時的だった。ユーロドルは1.16ドル台前半でほぼ横ばいで推移した。
本日の東京市場のドル円は、日銀の利上げ観測を背景とした円高観測が漂う一方、潜在的な円売り材料もある中、思惑が交錯して神経質な展開が見込まれる。
足もとでは日銀の利上げ加速への思惑やGPIFの基本ポートフォリオ変更観測などを背景に円高が進行、月初の高値からすでに8円弱下落した。しかし、昨日は上野厚労相がGPIF運用について「3月には見直し必要ないと判断」と発言したほか、一部報道で「日銀が17、18日に開く会合で、政策金利を現在の1.0%程度から1.25%程度に引き上げを決める方針」と伝わった。これにより0.50%の大幅利上げ観測が後退したことも重なり、ドル円は154円台半ばまで切り返した。これまでは日銀の利上げ加速観測で円が買われていた点を踏まえると、利上げペースの鈍化を意識させる報道が伝わる場合、昨日に続きドル円の買い戻しを誘うことが予想される。引き続き、関連報道に注意したい。
もっとも、日銀に関して9月利上げはほぼ織り込まれているが、12月の追加利上げ期待は保たれている状況である。このことは依然として円買いをサポートする材料となりそうだ。本日朝にベッセント米財務長官が「円相場に介入する場合、私には明確な見通しがある」などと発言しており、ドル円が上昇する場面では日米共同での円買い介入への警戒感が高まることが予想される点も、相場の重しとなりそうだ。
一方で、現時点ではあまり材料視されていないが、WTI原油先物価格は不透明な中東情勢を反映して昨日は一時94ドル台後半と、6月上旬以来の水準に上昇する場面が見られた。これを受け、米10年債利回りは4.81%台に上昇している。一段と原油価格が上昇する場合、米長期金利が上昇してドル買いが強まるシナリオへの備えはしておきたい。
また、消費減税について政府・与党は15日の閣議決定を目標としているが、依然として財源が明確ではない。円買いが一服した状況となれば、高市政権の財政拡張的政策が再び注目されることもあり得る。
他方、中国では8月の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)が発表予定。市場予想はCPIが前年比0.8%、PPIは同+3.6%と、いずれも前回より伸びが加速する見通し。予想を上回る伸びが示されれば、中国の内需・物価環境に対する過度な悲観が後退して人民元には追い風となることが予想される反面、伸び鈍化の場合は追加金融緩和観測が強まり、人民元の上値が抑えられることも考えられる。
(川畑)
本日の東京市場のドル円は、日銀の利上げ観測を背景とした円高観測が漂う一方、潜在的な円売り材料もある中、思惑が交錯して神経質な展開が見込まれる。
足もとでは日銀の利上げ加速への思惑やGPIFの基本ポートフォリオ変更観測などを背景に円高が進行、月初の高値からすでに8円弱下落した。しかし、昨日は上野厚労相がGPIF運用について「3月には見直し必要ないと判断」と発言したほか、一部報道で「日銀が17、18日に開く会合で、政策金利を現在の1.0%程度から1.25%程度に引き上げを決める方針」と伝わった。これにより0.50%の大幅利上げ観測が後退したことも重なり、ドル円は154円台半ばまで切り返した。これまでは日銀の利上げ加速観測で円が買われていた点を踏まえると、利上げペースの鈍化を意識させる報道が伝わる場合、昨日に続きドル円の買い戻しを誘うことが予想される。引き続き、関連報道に注意したい。
もっとも、日銀に関して9月利上げはほぼ織り込まれているが、12月の追加利上げ期待は保たれている状況である。このことは依然として円買いをサポートする材料となりそうだ。本日朝にベッセント米財務長官が「円相場に介入する場合、私には明確な見通しがある」などと発言しており、ドル円が上昇する場面では日米共同での円買い介入への警戒感が高まることが予想される点も、相場の重しとなりそうだ。
一方で、現時点ではあまり材料視されていないが、WTI原油先物価格は不透明な中東情勢を反映して昨日は一時94ドル台後半と、6月上旬以来の水準に上昇する場面が見られた。これを受け、米10年債利回りは4.81%台に上昇している。一段と原油価格が上昇する場合、米長期金利が上昇してドル買いが強まるシナリオへの備えはしておきたい。
また、消費減税について政府・与党は15日の閣議決定を目標としているが、依然として財源が明確ではない。円買いが一服した状況となれば、高市政権の財政拡張的政策が再び注目されることもあり得る。
他方、中国では8月の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)が発表予定。市場予想はCPIが前年比0.8%、PPIは同+3.6%と、いずれも前回より伸びが加速する見通し。予想を上回る伸びが示されれば、中国の内需・物価環境に対する過度な悲観が後退して人民元には追い風となることが予想される反面、伸び鈍化の場合は追加金融緩和観測が強まり、人民元の上値が抑えられることも考えられる。
(川畑)
