ロンドン為替見通し=ECB高官発言と議事要旨に注目、英MPC内の距離感を探る

 本日のロンドン為替市場では、ユーロドルとポンドドルがともに上値の重いなか、欧州中央銀行(ECB)高官の講演と議事要旨の公表、英中銀(BOE)高官の発言が相次ぐ。ユーロは仏財政懸念を抱え、ポンドは11月利上げ観測と英財政不安が綱引きする展開が続く。

 欧州前半はムーラン仏中銀総裁の発言に注目したい。同氏は前日、「現時点でECBによるフランス国債市場への介入の条件は整っていない」と明言しており、本日も維持するかが焦点だ。独仏10年債利回り格差は140bp近くと高止まりしている。ECBが「仏財政の救済役ではない」と改めて示せば、市場が期待した安心材料にはならず、ユーロの重しになりかねない。財政再建をどの程度強調するかも見ておきたい。

 レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストの講演も確認しておきたい。9月のユーロ圏インフレ率は前年比3.8%まで上昇しているが、同氏は「基調インフレの上振れは定着していない」「高い長期金利がエネルギー高の他の物価への波及を抑制しうる」として追加利上げを急がない姿勢を維持してきた。この見方を崩さないのか、それともこの数字を受けてトーンを強めるのか。ユーロの方向感を左右しそうだ。

 日本時間20時30分には、ECB議事要旨(9月9-10日分)が公表予定。9月の利上げを決めた際、「その後の追加利上げ」を巡るECB内の意見の割れ具合が読み解くポイントだろう。エネルギー高による二次的波及を警戒して追加引き締めを意識する意見と、高金利がすでに景気を下押しし、波及を抑制しているとして慎重を求める意見。両者がどの程度拮抗していたかが、今後の政策方向を占う手がかりになる。

 ポンド関連では、ピル英金融政策委員会(MPC)委員兼チーフ・エコノミストとベイリーBOE総裁が続けて発言する。9月会合ではベイリー氏の据え置き提案に対して、ピル氏が利上げ票を投じたが、両者のインフレ警戒感そのものに大きな差はない。違いは「いつ行動するか」にある。ピル氏は二次的なインフレ波及が表面化する前に先手を打つべきとの立場、ベイリー氏はデータを確認してから動く姿勢だ。本日の講演で距離感が縮まるか広がるかが、11月会合への見方を左右しそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線の1.1278ドル
・ポンドドル、6日高値1.3286ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、2025年5月16日安値の1.1131ドル
・ポンドドル、6月24日安値1.3140ドル


(小針)
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