週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、雇用統計に注目

◆豪ドル、9月雇用統計に注目
◆豪ドル、米長期金利や日米為替介入の動向にも注視
◆ZAR、SARBはタカ派も外部環境の売り圧力が強い

予想レンジ
豪ドル円 108.50-111.00円
南ア・ランド円 9.30-9.60円

10月12日週の展望
 豪ドル相場は、豪準備銀行(RBA)の利上げ維持スタンスと国内主要指標の結果を見極める展開となりそうだ。来週は13日に9月RBA理事会の議事要旨が公表されるほか、9月NAB企業景況感・信頼感指数の発表が予定されている。RBA議事要旨においては、足元で利下げへの転換は想定しにくく、焦点は「追加利上げを行うか、あるいは利上げを止めて据え置きに移行するか」という政策判断に向けられている。インフレ抑え込みに向けたタカ派姿勢がどの程度維持されているかが改めて確認されることになろう。また、企業心理を示すNAB指標によって国内経済の底堅さが示されるかも注目される。

 こうした中、今後の金融政策の舵取りを占ううえで最大の関心事となるのが15日発表予定の9月雇用統計だ。労働市場のタイトさが維持され、就業者数の強い伸びや歴史的な低水準の失業率が確認されれば追加利上げへの警戒感が一段と強まり、豪ドルを支える要因となる。一方、雇用者数の減少や失業率の上昇といった明確な減速の兆しがみられれば利上げ打ち止め感が一気に浮き彫りとなり、豪ドルの方向性を大きく左右することになる。

 一方で、国外要因としては米国の金利動向が豪ドル相場の下押し圧力として強く意識されやすい。米長期金利の上昇を背景に全般的なドル高圧力が強まっており、対米ドルでの豪ドルの上値を抑える作用を及ぼしている。また、ドル円相場においては日米当局による協調介入への警戒感から上値が抑制されやすい局面を迎えており、クロス円経由での豪ドル買いの推進力も限定的にとどまる公算が大きい。豪国内の雇用指標が利上げ再開を正当化するほど強い結果とならない限り、対米ドル・対円ともに戻り売りに押されやすい地合いが続くと見込まれる。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は、世界的な利回りの上昇を受けたリスク回避の動きが上値を圧迫する展開が想定される。米長期金利の高止まりに伴い、投資家のリスク許容度が低下することで、新興国通貨市場全般から資金が流出しやすい地合いが続いており、ZAR売り圧力が強まりやすい。

 また、南アフリカ準備銀行(SARB)が公表した金融政策レビューでは、インフレ抑制に向けた高金利の長期化が示される一方、電力不足やインフラのボトルネックに起因する足元の経済成長に対する懸念も根強く残る。インフレ抑制のためのタカ派的な警戒スタンスが下値を一定程度支えるものの、外部環境からの強力な売り圧力を相殺するには至らず、対米ドル・対円ともに上値の重い推移を余儀なくされそうだ。

10月5日週の回顧
 豪ドルは、対ドルでは米長期金利が2002年以来の高水準を記録したことで上値を抑えられたが、概ね横ばいで推移した。対円でも為替介入への警戒感は根強いものの、円買いの勢いは弱く、110円を挟んだもみ合いで推移した。

 ZARも対ドルでは概ね横ばいで推移。一方、対円では9円台後半で上値が抑えられる展開となった。豪州・南アともに注目指標などの発表がなかったことで、米長期金利に左右される相場展開となった。(了)
(執筆:10月9日、9:00)

(松井)
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