東京為替見通し=ドル円、ニューヨーク株高・債券高で動きづらい展開か
4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、民主党が上下両院を奪還したことによる米国株の大幅上昇を受けて、158.67円付近まで上昇したものの、WTI原油先物価格が87ドル台前半まで急落し、米長期金利が低下したことなどで158.17円付近まで下押しした。ユーロドルは米長期金利の低下を背景に1.1273ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米中間選挙で民主党が上下両院で多数派を奪還するという「ブルーウエーブ」を受けたNY株高・債券高を受けて動きづらくなる可能性があるなか、日米債券市場や株式市場の動向を見極めながらの相場展開が予想される。
民主党が上下両院で多数派を奪還したことを受けて、トランプ米政権の関税政策やイラン軍事攻撃に歯止めがかかる期待感からニューヨーク株は大幅高となった。
選挙前の予想では、民主党議会が人工知能(AI)データセンター建設に歯止めをかけるのではないかとの警戒感が漂っていたが、これまでのとろこウォール街の杞憂に過ぎなかったらしい。また、米長期債利回りは、トランプ米政権の財政拡張路線に歯止めがかかるとの期待感やWTI原油先物価格の下落により低下している。
ドル円はNY株高・債券高を受けて、日足一目均衡表・雲の上限158.44円付近で推移しているが、200日移動平均線の158.65円を明確に上抜けて159-160円を目指す上昇基調になった場合、レームダック化したトランプ米政権との間で「日米通貨同盟」が堅持されているのか否か、そしてベッセント米財務長官が「胴元」として君臨しているのか否か見極めることになる。
片山財務相は先日、「米中間選挙の結果を受けてマーケットに無秩序な動きや過度に投機的な動きがあれば、通貨当局として対応する。これまで日米の通貨当局が確認している覚書に沿って行動する。秩序ある為替市場であることが重要だ」とドル高・円安局面を牽制していた。
対日関係では、追加関税や総額5500億ドルの対米投融資、防衛費負担増などで圧力がかかる可能性には警戒しておきたい。
トランプ米大統領に対する審判となった中間選挙では、民主党は上院(100議席)で現時点で54議席を獲得し、共和党の44議席と10議席の差を付けた。しかし、トランプ米大統領が「ミスター拒否権」になると豪語して拒否権の乱用を警告していることや、フィリバスター(議事妨害)を打ち切るためには60議席が必要なこと、弾劾裁判で罷免するための3分の2(67議席)には届かないため、大型法案の成立は依然として容易ではない。
すなわち、民主党はインフレ対策や大統領の戦争権限の制限、AIデータセンター問題などに関する法案を可決できるものの、拒否権により阻止される可能性は残されている。
しかし、トランプ米政権による財政拡張路線への警戒感が後退したことは、財政政策への信頼感が高まるためドル買い要因、米長期債利回りが低下する可能性が高まることはドル売り要因となる。
また、米連邦準備理事会(FRB)への利下げ圧力が後退し、FRB人事への介入を阻止できることは、FRBの独立性が担保され金融政策への信頼感が高まることで、ドル買い要因となる。
レームダック化したトランプ米大統領は、18-19日に中国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)で米中露首脳会談を目論んでおり、ウクライナ戦争やイラン戦争でのエスカレーション策を打ち出す可能性には警戒しておきたい。
(山下)
本日の東京外国為替市場のドル円は、米中間選挙で民主党が上下両院で多数派を奪還するという「ブルーウエーブ」を受けたNY株高・債券高を受けて動きづらくなる可能性があるなか、日米債券市場や株式市場の動向を見極めながらの相場展開が予想される。
民主党が上下両院で多数派を奪還したことを受けて、トランプ米政権の関税政策やイラン軍事攻撃に歯止めがかかる期待感からニューヨーク株は大幅高となった。
選挙前の予想では、民主党議会が人工知能(AI)データセンター建設に歯止めをかけるのではないかとの警戒感が漂っていたが、これまでのとろこウォール街の杞憂に過ぎなかったらしい。また、米長期債利回りは、トランプ米政権の財政拡張路線に歯止めがかかるとの期待感やWTI原油先物価格の下落により低下している。
ドル円はNY株高・債券高を受けて、日足一目均衡表・雲の上限158.44円付近で推移しているが、200日移動平均線の158.65円を明確に上抜けて159-160円を目指す上昇基調になった場合、レームダック化したトランプ米政権との間で「日米通貨同盟」が堅持されているのか否か、そしてベッセント米財務長官が「胴元」として君臨しているのか否か見極めることになる。
片山財務相は先日、「米中間選挙の結果を受けてマーケットに無秩序な動きや過度に投機的な動きがあれば、通貨当局として対応する。これまで日米の通貨当局が確認している覚書に沿って行動する。秩序ある為替市場であることが重要だ」とドル高・円安局面を牽制していた。
対日関係では、追加関税や総額5500億ドルの対米投融資、防衛費負担増などで圧力がかかる可能性には警戒しておきたい。
トランプ米大統領に対する審判となった中間選挙では、民主党は上院(100議席)で現時点で54議席を獲得し、共和党の44議席と10議席の差を付けた。しかし、トランプ米大統領が「ミスター拒否権」になると豪語して拒否権の乱用を警告していることや、フィリバスター(議事妨害)を打ち切るためには60議席が必要なこと、弾劾裁判で罷免するための3分の2(67議席)には届かないため、大型法案の成立は依然として容易ではない。
すなわち、民主党はインフレ対策や大統領の戦争権限の制限、AIデータセンター問題などに関する法案を可決できるものの、拒否権により阻止される可能性は残されている。
しかし、トランプ米政権による財政拡張路線への警戒感が後退したことは、財政政策への信頼感が高まるためドル買い要因、米長期債利回りが低下する可能性が高まることはドル売り要因となる。
また、米連邦準備理事会(FRB)への利下げ圧力が後退し、FRB人事への介入を阻止できることは、FRBの独立性が担保され金融政策への信頼感が高まることで、ドル買い要因となる。
レームダック化したトランプ米大統領は、18-19日に中国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)で米中露首脳会談を目論んでおり、ウクライナ戦争やイラン戦争でのエスカレーション策を打ち出す可能性には警戒しておきたい。
(山下)
