東京為替見通し=ドル円、164円突破なるか中東リスクとCPIに注目

 23日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米国とイランの対立激化により中東からの原油供給途絶への懸念が強まるとWTI原油先物価格が急伸したほか、為替市場では「有事のドル買い」が優勢となり、一時163.99円と1986年11月以来の高値を付けた。ただ、節目の164.00円手前では利食い売りなどが出たため、やや伸び悩んだ。政府・日銀による為替介入への警戒感も高まった。 ユーロドルは、中東情勢の緊迫化で原油価格が高騰し、有事のドル買いが優勢となると、1日以来となる1.1364ドルまで下落した。なお、欧州中央銀行(ECB)は市場予想通り政策金利を2.40%で据え置くことを決めたと発表した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、6月全国消費者物価指数(CPI)を確認した後は、約40年ぶり高値水準に上昇したことに対する本邦金融当局の対応や、緊張の度合いを増す中東情勢を眺め、神経質な展開が予想される。

 6月全国CPIについて、市場予想では生鮮食料品・エネルギーを除いたコアコアは前年比+1.8%と前月並みと見られているが、エネルギーを入れたコアは同+1.6%と前月+1.4%から伸びの加速が見込まれている。先行指標とされる、先月末に発表された6月東京都区部CPIは、市場予想通り前年比+1.6%であったが、前回+1.4%より伸びが加速していた。

 日銀の次回利上げについて市場では10月と12月で見方が分かれているが、インフレ圧力の強まりが確認され、9月会合での利上げ観測の高まりにつながるようならば、円買いが優勢となる展開もあり得る。結果に注目したい。

 また、昨日は約40年ぶり高値となる164円目前まで上昇したことで、本邦金融当局の出方は気になるところ。22・23日と片山財務相は円安けん制発言を行うも、従来とあまり変わらない内容であり、円安抑制の姿勢は感じられなかった。高市政権が「積極財政」を掲げていることもあり、円安容認との雰囲気も漂っている。昨日超えられなかった164円台に乗せるようだと、目先は1986年11月高値164.50円や、心理的節目165円を視野に入れて上値を試す展開も想定される。

 ただし、円安の進行は輸出業者にとっては追い風であるが、輸入業者にとっては死活問題である点を踏まえると、現在水準で実弾介入が入っても何ら不思議ではない。昨日は高値更新後に30銭以上押し戻される場面が何度か見られ、介入への警戒感も感じられる。本日も上値を模索する場面では神経質な値動きを余儀なくされると見る。

 そのほか、昨日は米国とイランの対立激化により中東からの原油供給途絶への懸念が強まると、WTI原油先物価格が一時93ドル台半ばまで急伸すると共に、有事のドル買いが優勢となった。戦火の拡大が想定される場面ではドル買い圧力が強まることが予想される。引き続き、関連報道に注意を払いたい。


(川畑)
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