東京為替見通し=ドル円、155円台の底堅さを意識しつつ神経質な展開か

  4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、良好な8月米雇用統計を受けて156.75円まで上昇するも、155.36円まで急落。東京午前と前日に付けた安値155.30円や8月3日の安値155.23円がサポートとして働くと156円台前半まで下げ渋った。ユーロドルは、8月米雇用統計を受けて1.1585ドルまで下落したが、前日の安値1.1584ドルが目先サポートとして働くと、米長期金利が低下に転じたことも相場の支援材料となり1.1625ドル付近まで値を戻した。

 本日の東京市場のドル円は、今月予定されている日米の金融政策発表を前に、神経質な展開が見込まれる。

 まず日銀に関しては、9月会合での0.25%利上げはすでに織り込み済みとなっている。市場の関心は0.50%の大幅利上げはあるのか、0.25%であった場合でも12月会合での追加利上げ期待は温存されるかに注目が集まっている模様だ。従来は半年のペースで0.25%の利上げと見られていた。本日、本邦金融当局者の発言は予定されていないものの、各種報道次第では神経質に反応する恐れがある点には注意したい。

 米国要因に関しては、4日にトランプ米大統領は「利下げしなければ対米黒字国との貿易を停止する」と発言した。パウエル前米連邦準備制度理事会(FRB)議長時代には再三にわたり利下げを要求していたことを踏まえると驚きに値しないが、前週はウォラーFRB理事が「ディスインフレ傾向が続けば金利の据え置きを支持」と発言するなど、FRB高官から金利据え置きを支持する発言が複数伝わっている。本日は主だった米要人発言は予定されていないが、不意の発言に備えておきたい。もし利上げ観測の後退を示唆する発言が伝わればドルの重しとなることが予想される。

 ただ、FRB高官の間でも、金融政策についての意見は割れているようである。先月のジャクソンホールでウォーシュFRB議長は利上げに前向きな発言をしたほか、前週末にクリーブランド連銀のハマック総裁は「FRBの政策は景気抑制的ではなく、インフレ率は高すぎる」と発言しており、利上げに向けて前向きな発言が伝わればドル買いを誘う展開もあり得る。

 CMEのFedWatchツールによると、前週末の8月米雇用統計を受け、次回9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率は、3日時点では5割であったが、4日は6割近くへと上昇している点は見逃せない。今週は米国で卸売物価指数(PPI)や消費者物価指数(CPI)の発表が予定されており、インフレが高止まりするようならば利上げを織り込んでドルが買われる展開もあり得る。

 ドル円は先週2回も155.30円で下値が支えられている点を踏まえると、強いドル売り・円買い材料がない限り155円を割り込む動きは期待しづらいかもしれない。今週の米国のインフレ指標や、中旬に予定されている日米の金融政策発表前に、下値の堅さを見たポジション調整の動きにも備えておきたい。

 そのほか、本日はNYがレーバーデーで休場ということもあり、参加者減少が見込まれる中で動意の薄い展開となることも考えられる。


(川畑)
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