株式明日の戦略-週間では800円を超える上昇、6月第1週も堅調相場が続くか

 30日の日経平均は大幅反落。終値は467円安の37965円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり939/値下がり632。三菱重工や川崎重工が軟調相場の中でも上昇。トヨタは円高を警戒して大幅安スタートとなったものの、切り返してプラスで終えた。三菱UFJや三井住友など銀行株が全般堅調。NTTドコモによるTOBに賛同の意を示した住信SBIネット銀行は連日のストップ高比例配分となった。精米機需要が高まるとの思惑から井関農機が急伸。住友生命保険との資本業務提携を発表したカラダノートがストップ高比例配分となった。

 一方、任天堂、ソニーG、リクルート、ソフトバンクGなど、大型グロース株が大幅安。新興グロースもメタプラネット、リミックスポイント、フィスコなど暗号資産関連が弱かった。「アクーゴ」の出荷解除に関する条件が達成されたことを発表したサンバイオは買いが先行して一時15%超上昇したものの、急失速して引けでは11.7%安と乱高下。電気自動車用次世代パワー半導体の生産を断念したと日本経済新聞で報じられたルネサスが大幅安となった。

 日経平均は大幅安。ただ、前日の710円高を打ち消すほどの下げにはならなかった。円高が進んで400円を超える下落となったにもかかわらず、プライムで値上がり銘柄が多かったことは特筆される。きのうまでの上昇により、投資家が株価下落局面を押し目買いの好機と捉えていることが見て取れる。終値(37965円)では38000円を下回ったものの、5日線(37875円、30日時点、以下同じ)を上回っており、ローソク足では陽線を形成した。今週は5営業日中、4営業日で陽線を形成している。場中に強い動きが見られるうちは、日本株は底堅く推移するだろう。


【来週の見通し】
 堅調か。6月相場に突入し、金曜6日の米国で発表される5月雇用統計に注目が集まる。米国では雇用統計の前にも経済指標の発表が多く、日本では植田日銀総裁の講演が予定されており、欧州ではECB理事会が開催される。各種材料を消化しながら、長期金利や為替に神経質となる状況が続くだろう。ただ、足元では日本株の動きが良くなっている。金利が低下すればグロース株、上昇すれば金融株、円安が進めば外需株、円高が進めば内需株や中小型株といったように、その日の中で強く買われる銘柄が出てくる公算が大きい。米雇用統計の発表前で様子見姿勢は強まるとみるものの、弱材料に耐性を示すことで、週間では水準を切り上げると予想する。


【今週を振り返る】
 堅調となった。日経平均は26日、27日と連日で3桁の上昇。EUに対して高関税を課すことを示唆したトランプ大統領が早々に発動延期を表明したことで、リスク選好ムードが強まった。28日は大幅高スタートから失速して小幅に下落したが、29日は決算を発表した米エヌビディアの時間外の大幅高や円安進行を好感して、700円を超える上昇。節目の38000円を上回り、38400円台まで水準を切り上げた。30日は円高進行を受けて400円を超える下落となり、週末値では38000円を下回ったものの、日経平均は週間では約804円の上昇。週足では陽線を形成した。
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