東京為替見通し=ドル円、米長期金利の低下が続くかどうかに注目

 昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。米財務省の長期債買い入れオペ拡大を受けて、米株高・金利低下・ドル安の様相が強まった。ドル円は一時158.05円まで弱含み、ユーロドルは1.1679ドルまで5月29日以来の高値を更新した。

 本日の東京市場では海外市場の流れを受けて米金利低下・ドル安が続くかどうかに注目。米長期金利が2007年以来の高水準に上昇する中、米財務省は市場の流れを反転させようと、残存期間10-30年の米国債の買い戻しを「少なくとも」倍増させると発表した。米財務省は7月末に日本政府と協調介入に踏み切ったが、これは日本当局が必要なドルを確保するため米国債を大量に売却するのを防ぐ狙いがあるとも受け止められている。米国債の最大の海外保有国による追加売却への懸念が高まれば、相場下落がさらに悪化する恐れがある。

 昨日のドル円は158円近辺まで大きく値を下げて戻りの鈍い動きとなっているが、160円に向けたドル高・円安基調が完全に崩れたわけではない。米国ではインフレへの警戒感が残り、FRBの金融政策を巡って利下げ一辺倒とはなっていない。米長期金利が再び上昇すれば、日米金利差を意識したドル買いが戻る可能性がある。また、高市政権による積極財政への警戒から日本の財政悪化が意識されれば、円の上値を抑える材料となる。

 ただ、米財務省が長期国債の買い入れ拡大によって長期金利の上昇を抑制する姿勢を示したことはそれなりにインパクトがあり、ドル円は一段の調整売りに押される可能性はある。160円を目指すドル高余地を残しながらも、米財務省の国債買い入れによる米金利低下と介入警戒感が上値を抑える展開が想定される。

 また、豪ドルは本日発表予定の7月雇用統計に注目。豪準備銀行(RBA)は11日の会合で政策金利を4.35%に据え置いたが、議論ではインフレの上振れリスクが意識されており、ハウザー副総裁も昨日にインフレへの強い警戒感を示した。 雇用が強ければ追加利上げ観測や高金利長期化観測が強まり、豪ドルの支援材料となろう。逆に雇用の悪化が確認されれば、RBAの引き締め観測が後退し、豪ドルは上値を抑えられそうだ。現状では、インフレ警戒を背景にRBAのタカ派姿勢が残るため、雇用統計が大きく崩れない限り豪ドルは底堅く推移するとの見方である。

(金)
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