東京為替見通し=日銀短観と「主な意見」に注目、原油相場も波乱要因か

 30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、8月米個人消費支出(PCE)物価指数や食品とエネルギーを除くコア指数が予想を下回ったことが分かると全般ドル売りが先行、156.65円付近まで下押しした。ただ、米長期金利が上昇に転じると一転買い戻しが強まり、157.53円まで上値を伸ばした。ユーロドルはドル売りの流れを受けて1.1380ドルまで上昇するも、米長期金利の上昇が重しとなり1.1322ドルまで下落して日通し安値を更新した。

 本日の東京市場のドル円は、日銀短観や先月の日銀会合での「主な意見」を見極めつつ、米・イラン情勢を受けた原油相場の動向に注目することになるだろう。

 本日の東京外国為替市場でドル円は、まずは8時50分に同時発表される日銀短観(9月調査)と、日銀金融政策決定会合における主な意見(9月17-18日分)に注目したい。日銀は9月会合で政策金利を1.25%へ引き上げたが、市場では年内の追加利上げ観測が根強く残っている。金利先物市場では12月の0.25%利上げがほぼ織り込まれている。景況感や企業の物価見通し、そして会合でのタカ派的な議論が確認されれば、円買い・ドル売りが優勢となり、ドル円の上値を抑える展開を想定したい。

 短観の注目点は、大企業・製造業および非製造業の業況判断DIに加え、販売価格判断DIや人手不足感の推移である。あわせて公表される「主な意見」では、直近会合での利上げ決定に至る議論の内容や、今後の追加利上げのペース、従来1.75%としているターミナルレート(利上げ到達点)についての言及が焦点となる。追加利上げを後押しする強い指標結果やタカ派的な意見が相次げば、現在一部に留まっている日銀の10月利上げ期待が高まる展開も想定される。

 これらの材料が国内の利上げ織り込みを強める場合、ドル円には下押し圧力がかかりやすい。もっとも、全体を通して弱めの結果となる場合、日銀の年内利上げ期待が後退して円が売り直されることも考えられる。そうした中でも、依然として政府・日銀による為替介入への警戒感が根強く、一本調子に円売りが進む状況は予想しづらい。円売りが優勢となる局面では特に、関係者の発言に注意したい。

 一方、米長期金利に影響を与える要素として、引き続き原油相場の動向も重要だ。先月28日にサウジアラビアの原油パイプライン復旧や湾岸諸国の供給回復が報じられたことで、供給途絶への懸念が和らぐと、30日には一時88ドル台半ばまで下落する場面が見られた。

 そうした中、一部ではイランのアラグチ外相が29日に「イランが提示した7日間の信頼醸成計画に対する米国の回答を、ドーハでカタールの仲介担当者から受け取った」と報じている。和平協議への期待が高まれば原油価格が下落してインフレ懸念が後退する展開が見込まれるも、これまで何度も協議への期待の高まりと失望を繰り返してきただけに、和平への道は依然として遠いと言わざるを得ない状況である。引き続き、関連報道を気にかけておきたい。


(川畑)
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