東京為替見通し=ドル円、30年債入札やイラン関連ヘッドラインに注目する展開か

 5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、原油先物相場の下落や7月ADP全米雇用報告や同月米ISM非製造業景況指数の下振れを受けて157.31円まで下押しした後、157.81円付近まで持ち直した。ユーロドルはWTI原油先物相場の下落を受けて1.1559ドルまで上値を伸ばした。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米国とイランの協議に関するヘッドラインを注視しながら、200日移動平均線(158.06円)を念頭に置き、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入に警戒する展開が予想される。

 昨日、政府は食料品の消費税率を2027年4月から2年間に限って1%に引き下げる方針を閣議決定した。これを受け、本日の30年債入札で債券市場での消費税減税に対する審判を確認することになる。

 日米協調の円買い介入を受けた後のドル円の今週の高値は、157.88円(3日)、157.96円(4日)、157.88円(5日)となっており、155円台は底堅いものの、158円台が重い状況となっている。今後は、日米協調ドル高・円安是正に関して、160円以上の円安を抑制する意図なのか、それとも155円を割り込ませて円高を誘導する意図なのか、当局の意図を探っていくことになる。

 先週までのドル高・円安要因は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ観測、中東有事のドル買い、そして高市政権の責任ある積極財政による財政悪化懸念が挙げられる。

 9月のFOMCでの利上げ観測は、明日発表される米7月雇用統計で左右されることになる。イラン情勢に関しては、トランプ米大統領が6日までの48時間以内に合意が発表できる見込みと述べ、イラン外務省も、ホルムズ海峡の運用を巡りオマーンが実施している協議について「航路設定に関する座標について合意し、共同声明の策定作業が最終段階に入る」と述べていることで、関連ヘッドラインを注視することになる。

 また、ベッセント米財務長官は、円安を抑制するため、1月23日には日米協調のレートチェック、7月31日には日米協調の円買い介入を主導してきた。同財務長官の最重要使命は、長期金利の上昇を抑えることであり、そのためには、世界の債券市場のアンカーである日本の国債市場の下落には目を光らせてきた。

 1月23日は、高市首相が「食料品への消費税一時免除」などの減税策を表明したことで、財政悪化懸念から、円が売られ、日本国債が売られ、米国債売りに波及していた。7月30日は、高市首相が「食料品消費税減税」を表明したことで、円が売られ、日本国債が売られた。

 ベッセント米財務長官は、日本の財政悪化懸念を背景にした日本国債売り、円売りを阻止するため円安阻止に乗り出しているが、日銀に対しては早期の利上げを要請している。8月31日からのG20財務相・中央銀行総裁会議で植田日銀総裁に利上げを要請して、9月17-18日の日銀金融政策決定会合での政策金利1.25%への利上げを目論んでいると思われる。そのためには、市場の動向に精通している同財務長官は、長期トレンドの攻防の分岐点である200日移動平均線(本日158.06円)を防衛ライン(※ベッセント・シーリング)に設定しているのではないだろうか。


(山下)
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