東京為替見通し=ドル円、日米金融政策決定を控えて動きづらい展開か

 11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが8月米消費者物価指数(CPI)の発表後に4.98%前後まで上昇した局面で154.48円付近まで上昇し、4.90%前後まで低下した局面で153.24円まで反落。その後に4.97%台まで再上昇した局面では153.70円台まで買い戻された。ユーロドルは、米8月CPIの発表直後の米金利上昇で1.1569ドルまで下落した後、米金利低下で1.1618ドル付近まで買い戻された。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)(15-16日)や日銀金融政策決定会合(17-18日)を控えて様子見ムードとなることが予想される。

 本日は、英FT紙が「14日に湾岸諸国外相がイラン外相と、ホルムズ海峡の一時的な管理について会合を持つ」と報じていたものの、延期されたと報じられている。イラン政府高官は12日に、オマーンで14日に開催予定の湾岸諸国との外相会議について、「封鎖状態にあるホルムズ海峡を含む諸問題について議論する機会となるものの、同海峡に関する合意文書に署名することはない」と述べていた。

 また、円買い戻しの要因となっている年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本資産構成割合(基本ポートフォリオ)の変更に関するヘッドラインにも、引き続き警戒しておきたい。外国株式、債券、国内株式、債券の基本ポートフォリオに変更がなくても、片山財務相の要請「GPIFをはじめとする年金基金に、日本の金融資産にさらなる投資をしていただく後押しをする方策を追求したい」が受け入れられれば、一部試算で31兆円程度の円買い要因となる。

 GPIFに関するリスクシナリオとしては、米財務省の「為替政策報告書」や昨年の「日米財務相共同声明」で言及されていた「ヘッジ」に警戒が必要だ。すなわち、150兆円規模の外国株式・債券に対する円買いヘッジが断行された場合、ヘッジ比率にもよるが、円・キャリートレードの手仕舞いを誘発する要因となりえる。

 ベッセント米財務長官は自身が「胴元」であり、「私には情報の非対称性がある」があると述べていたが、GPIFのポートフォリオなどに関する情報かもしれないことで、関連ヘッドラインに注意しておきたい。

 9月8日時点でのIMM通貨先物の非商業(投機)部門の円の取組は、前週から103,023枚の円の買い戻しとなり、10,796枚のネット買い持ちとなっている。円の売り持ちポジションは、167,995枚、買い持ちポジションは、178,791枚となっている。おそらく、ドル円の分水嶺といえる150円を割り込まない限り、日本の財政悪化懸念、中東有事、原油価格上昇、FRBの利上げ観測などを警戒した円の売り持ちポジションはなくならないと思われる。

 CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、明日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)でのFF金利0.25%の利上げ確率は86%程度、据え置き確率は14%程度になっている。


(山下)
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